みなさん今日は。ライターのいんげん和尚です。
背伸びシリーズも、はや5回目。今回はいままでより一足分高く背伸びしてみる内容をお届けします。
それが・・・
高級寿司
ふーん高い寿司ね。いいネタなんでしょ知ってるよ。オトナになったら行ってみたいかもね。
なんて思っているそこのあなた!とんでもない。
一流寿司店の寿司は回転すしの延長では語れません。一流寿司と我々が普段食べるお寿司はもはや別の料理。しかも一流寿司店からは就活生・ビジネスマンが学ぶべきことが詰まっているのです!
今回は、今まで行った一流寿司店は250店舗超えの寿司リーマンさんといっしょにそんな一流寿司の世界をご紹介します!
そこには、今までに食べたことのない美味なネタの数々、おいしい一言では語りつくせない口福(こうふく)、それを提供する一流大将の職人模様が広がっていました…。
それでは行ってみしょう!
まずは寿司リーマンさんの紹介を。
寿司リーマンさんは、全国の一流の名店めがけて「寿司出張」を定期的に行う28歳の会社員です。給料の6割を寿司に費やすほど寿司を愛するサラリーマンとして、「寿司リーマン」を名乗って活動しています。
普段は「平日週5勤務、完全土日休みのサラリーマン」として大手メディア企業で働く彼ですが、出張時や週末の休日に時間とお金をかけて、全国の一流の寿司屋を巡っているとか。
100円回転寿司やスーパーの寿司等も含めると、週5回は寿司を食べるなど、とにかく「寿司」という食べ物が大好きな方です。
インスタのフォロワーは18,000人、PRESIDENTでの連載や中居君のテレビ番組出演など、最近注目が集まっているビジネスパーソン、それが寿司リーマンです。
まずは一流寿司店がどんな感じなのかをご紹介します。
今回伺ったのは東京赤羽にある、すし処 みや古分店さん。
店に入ると、客はカウンター席について、大将と向き合う形になります。レーンもないし、呼び出しボタンもありません。
まずはつまみが数品。このつまみのひとつひとつにも、大将のこだわりが詰まっています。大将につまみを解説してもらいながら食べると、より楽しめると思います。
つづいて本命の握り。びっくりしたのですが、カウンターの台に直接握りが一貫ずつ置かれます。
これまた一品ずつこだわりのつまった新鮮なネタたち。
これらを食べる頃には自然と無口になって、味、ひいては幸せをかみしめていることでしょう。
味で終わらないのが高級寿司の背伸びポイント。一流寿司店とはすなわち「非日常を楽しむ教養エンターテインメント」なのです。
重厚感のある黒塗り木造の店舗外観、決して広くはないがどこか温かみを感じる客席、店舗内装など作りこまれた和の空間の中で、大将の直観によって日ごとに変わるつまみや握りを食す。
大将との会話はもちろんたまたま横になったお客さんと話すこともあれば、一人で寿司の味をかみしめることもある。
再現可能ではない、こだわりぬかれた一期一会のもてなしを受け終わった私たち客は、お店を出た瞬間に現実に引き戻された感を覚えます。
これはディ〇ニーランドなどのテーマパークと一緒です。
作りこまれた世界観の中に没入し、アトラクションや食事・写真撮影などの非日常の園内体験を楽しむ。単なる食事にとどまらない「コト消費」が高級寿司なのです。入園料+食事代+お土産代と比べたら高級寿司の値段もそんなに高く感じなくなるのでは...?
でも、ただのエンタテイメントではありません。多くの学びがあるのです。どんな学びがあるのかを見ていきましょう。
寿司リーマンさんは、一流の寿司屋では「教養」が学べると語ります。
一流の寿司屋では、寿司を通して人間として成長することができます。私は高級寿司だけではなく、いわゆる大衆的な回転寿司も大好きですし、ラーメンなども大好きです。
でも、高級寿司はただ美味しいだけじゃない。人間として、ビジネスマンとしてハッとひらめく学びがたくさんある。私が寿司屋で何を学んできているのかをご紹介します。
まずは内省・自己分析する力。
寿司の味や大将の人柄、寿司店のサービス・世界観に対して好き嫌いはあるものです。
気さくに話しかけてきてくれて、その日のネタを解説してくれるような大将が好きな人もいれば、もくもくと無口に寿司を握り客に提供する職人気質な大将が好きな人もいる。
毎日違うバラエティー豊かなネタが提供される寿司店が好きな人もいれば、毎回同じネタが提供される寿司店が好きな人もいる。
これに対して「なぜ好き?嫌い?」と自問し、言語化することで自分の好み・性格を把握することができるのです。
これはまさに就活で学生のみなさんが苦しむ自己分析ですね。一流寿司店を通して自分の価値観を把握することができていれば、就活の時にも困りません。
コミュニケーション能力も向上します。
大将との会話はいわば心理戦です。店内での大将と客の関係は、対等な真剣勝負相手。一流寿司店を訪れる客はただ単に食事に来た客ではなく、大将の作る世界観を真剣に体験しに来ている”参加者”なのです。
こういった関係性のなかでの会話で、嫌味たらしくならないように注意しながらも、いかに大将に「この客はやるな」と思わせられるか。こちらの実力によって大将のサービスが変わってきたりします。うまく大将に認めてもらえれば、少し良いネタを提供してくれたり。
この寿司屋での勝負は、営業など対人折衝場面で活きるような駆け引きのスキルを学べると感じています。
一流寿司店の大将は、その道を極めたプロフェッショナル。その姿勢は自分自身にも取り入れることができます。
どんな客に対してもフラットに接する一流の接客であったり、自分の現状に満足せずにストイックに技術を磨き続ける姿勢などなど。寿司を味わいながら大将に今日のポイントを聞いてみると「そんなことに気を使ってるのか」と驚かされることも多い。
このように、ビジネスの世界・人格磨きに活かせることが多々あるのです。さらに、一流寿司店の大将に惹かれて訪れる客もまた一流の人達が多い。一般的なレストランでは隣り合った客と会話をかわすことは滅多にありません。
でも一流寿司店の店内の出会いは一期一会の世界。たまたま隣り合っただけでも、一流を体験しに来た者同士の間では自然と会話が生まれます。こうして知り合った一流の客からも、人として学ぶことができる部分が大いにあるのです。来店される方には経営者も多いので、ここから人脈が広がることだってあります。
いかがだったでしょうか?一流寿司店はひとり約2万円~とかなりのお値段です。しかし、そこには一般人からすると想像を絶するような美味・驚きの体験が詰まっています。単なる食事ではなく、自分を成長させることができる場として、すこーーし背伸びして一流寿司店に行ってみてはいかが?
大学生が背伸びしてみるシリーズとしてはだいぶ背伸びしすぎた感のある今回の企画ですが、一流の世界を垣間見た気がしました。私たちも頑張って成長して、こんな一流のビジネスパーソンになれるよう今日からまた頑張りましょう!