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『何者』を鑑賞して感じたこと。「痛い」と他人を笑うのは自分が何者にもなれていないから

映画『何者』。以前小説を読んだことはあったのですが、改めて就活を経験してから鑑賞してみると、自身の経験と重なり「就活生の心をえぐる」という感想にも納得しました。今回は、映画の中でも出てきた「痛いね」という言葉について。実際に感じたこと、経験を交えて綴ろうと思います

就活生に刺さるという『何者』を鑑賞した

映画『何者』は朝井リョウさん原作の就活とSNSテーマにした映画です。大学生の男女5人が本音と建て前を繰り返すSNSが広く浸透している今だからこそより刺さるストーリーとなっています。映画は2018年に公開。原作は読んでいたものの、「就活生になったら映画を観よう~」と思っていました。
が、「就活生は閲覧注意」などとネットには書いてあり、就活中に観たらダメージが大きそうだなと思い躊躇っていました。

そして最近、就活が落ち着いたので『何者』を鑑賞することにしたのですが、「もう少し早く観ておけばよかった」という気持ちや、就活で苦しんだからこそわかる映画の面白さを感じました

映画

SNSを活用している人にこそ観てほしい

確かに心に刺さる内容であることは間違いないのですが、どのタイミングで観ても刺さると思います。だから就活前に観て、自身の就活に活かすのも良いと思います。出来れば就活が本格化する大学2年生くらいに観ておけば良かったかなと思ったり。
私自身は大学2年の秋からTwitterでアカウントをつくり、「Twitter就活」の活動を行っていたので、就活とSNSのテーマがドンピシャでした。私のように公開垢でなくとも、匿名の就活アカウントを持っている人はたくさんいると思います。『何者』はまさにTwitterを通して就活を行う私たちに向けたメッセージが込められた映画です。

就活は人間性を問われる

『何者』を通して、改めて就活って人間性が問われるなと思いました。学歴とか、留学経験とか資格の有無とか、そういう表面的なことではない、芯の部分を評価されます。
『何者』に登場する人物もそれぞれ個性的で「周りにこういう人いたな~」と共感できるところばかり。自分はどんなキャラクターに近いのだろう?と考えると、客観的に分析できて良いですよね。
私は、「就活はしない」と周りに宣言している意識高い隆良という人物に近かったかもしれません。自分は周りの人間と違った視点や考え方ができると自分に酔っている感じ。私もTwitter就活を行っていた時は、自分に酔っていたかも?
登場人物と自分を重ねながら、今まで気づかなかった、自分の弱いところ、醜いところを突かれる。でも、就活ってそういうものだから。社会人になる前に改めて、人間性を鍛えることができるのが就活だなと考えています。

観察者ぶっている主人公

ネタばれになってしまうかもしれませんが、映画の主人公は”観察者”として他のメンバーのことを分析する性格?です。
「あの子は学歴が高い上に、プライドが高いから~」などと自分では正確に相手のことを分析していたとしても、それはただの自己満足。じゃあ、自分は?となると自分は客観的な分析を怠っているんですよね。
「心のどこかでみんなそう思っているんじゃないかな。観察者ぶっている拓人くんのこと、痛いって。」
ついに主人公は就活の仲間の友達から「痛い」と言われてしまいます。

一生懸命に頑張っている他人を観察し、分析する。
これってSNSの誹謗中傷にも似ている気がします。努力をしてない人に限って他人のことは批判するんですよね。努力している人は、他人のことを批判している時間もないわけですから…

SNS

「痛いね、寒いね」という言葉

「痛い、寒い」という言葉を、本来の意味ではなく、マイナスの表現で使うことってありますよね。映画の中だけでなく、実際に言われた経験もあります。
Twitterで大勢の人の前で、いわゆる意識が高い活動をしていると、中学・高校時代の友達からは「痛い」と思われることもあるでしょう。
でも、それは自分でもわかってます。わかった上で、行動を起こさなければ何も始まりません。自分の中にある”弱さ”を認めて、行動を起こした人が成長できると思っているので、他人を批判して何も行動していない人の意見には耳を傾けている時間がもったいないです。

就活の面接では。「どんな人になりたいの?」と聞かれることが多かったです。
どんな人間になりたいか。
最初から完璧な回答ができる人は少ないと思います。就活で色々な人と出会い、対話し、自分と向き合って築いていくもの。映画『何者』は、就活生の揺れる心情を細かく描写しています。大学生におススメしたい作品です。