企業が学生の採用を決める基準一つである「適性検査」。既に就活に取り組んでいる方の中には「こいつさえなければ…」と恨みを募らせている人も少なくないはず。
今回は、そんな「適性検査」とは何か、またその代表格である「SPI」「GAB」「玉手箱」の3つを軸に、それぞれの特徴や対策の仕方などをお話していきます。
「なんだか難しそう…」とむやみに怖がるのではなく、敵を知り、戦い方を知ることで正しく恐れていきましょう!
そもそも適性検査って?
はじめまして!学生ライターの佐藤たかしです!
今回は、「何から手を付ければよいか分からない」「勉強は嫌いだからできれば避けたい」と受験生を悩ませ続ける「適性検査」、その中でもよく用いられる「SPI」「GAB」「玉手箱」という3つの代表的なテストについてお話ししていきます。
まずは「適性検査」についてザックリ整理してみましょう。
「適性検査」とは筆記テストやWebテストを用いて受験者の能力や性格を判定し、受験者は企業が求める要件を満たしているのか、また将来的に期待できるのか判断するためのものです。
試験の内容は大きく分けて「能力検査」と「性格検査」に分類されます。
「能力検査」は「言語系(国語に近い)」と「非言語系(数学に近い)」の2分野から出題されることが多いです。問題数が多いので初見で解き終わることはほぼ不可能といってよいでしょう。企業はここから基礎的な学力があるか、最低限の常識を備えているか、効率的に問題処理を行えるか、などを判断します。
3割ほどでの正答率でパスできることもあるそうですが、就活生から人気の高い企業はこの結果を足切りの基準にすることも多く、そうした場合は高得点を求められることになります。
「性格検査」では、設問に対し自分の性格が当てはまる選択肢を選びます。一般的な心理テストをめちゃくちゃしつこくしたイメージです。この結果から、受験者の性格的な特徴を測定します。
この検査は出題する企業の求める人物像に合っているかどうかを判断するためのものなので、頑張って勉強して点数を上げよう!といった対策はできません。
中には受ける企業の採りたい人物像を事前に調べ、それに合わせて作為的に回答する方もいるようですが、そうした“嘘”を見破る仕組みもあるそうなので素直に回答することをおすすめします。
対策としては、こちらも設問数がかなり多いので事前に練習して形式に慣れておくことをおすすめします。
またこれらの受験形式には、自前のPCを用いる、専用の会場を使う、志望する企業に足を運んで受験するなどいくつかのパターンがあるので、志望する企業の指示を必ず確認してください。
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SPIとは
適性検査についての解説が少し長くなってしまいましたね。ここからは選考で良く用いられる3つの適性検査ごとにお話ししていきます。
まずはリクルートが提供している「SPI」。Synthetic Personality Inventory(総合適性検査)の頭文字から成る名称で、適性検査の中でも特に広く認知されています。2019年度には13,600社の会社で採用され、計204万人が受験したのだとか。
試験全体は主に
・性格検査(約30分)
・基礎能力検査「言語/非言語」(約35分)
・英語検査(約20分)
・構造的把握力検査(約20分)
の4つの科目から企業が選択したものを受けることになります。多くの場合は性格検査と基礎能力検査が出題され、英語検査と構造的把握力検査は一部の企業のみになっているそうです。
SPIは商社やメーカーなどを中心に非常に多くの国内大手企業で採用されています。そうした事情もあってか、書店に並ぶ参考書の種類も豊富です。
まだ自分が受ける業界が定まっていない段階でも、適性検査対策の入り口としてとりあえず勉強を始めてみましょう!
GABとは
日本エス・エイチ・エル社が販売しているこのテストは、ペーパー形式の「GAB」と、PCで受験できる「Web-GAB」の2種類があり、ペーパー形式の方が制限時間が若干長く問題数も多いという違いがあります。
こちらは
・言語:8長文/15分(Web:13長文/25分)
・計数:20問/20分(Web:35問/35分)
・性格診断:約30分(Web:時間制限なし)
という構成になっています。
GABは総合/専門商社、証券・投資銀行、コンサル系など業務を正確かつスピーディーに処理することが求められる業界で多く採用されています。そのため、制限時間に対して問題数が少なく、すべてを解ききるよりも効率よく解けそうな問題を見極めて一問にかける時間を少なくしながらこなせるようになることが重要です。
そうした直感的な判断力を意識しつつ対策を重ねていく必要がありそうですね。
玉手箱とは
今回取り上げるのは適性検査の1つである「玉手箱」の方。
先ほどの「GAB」と同じように、こちらも日本エス・エイチ・エル社が販売している適性テストで、販売元が同じという背景もありGAB形式の問題が出題されることがあります。
具体的には、
【計数理解】
・四則逆算:50問/9分
・図表の読み取り:29問/15分
・表の空欄の推測:20問/20分
【言語理解】
・論理的読解(GAB形式):32問(8長文×4)/15分
・趣旨判定(IMAGES形式):32問(8長文×4問)/10分
・趣旨把握:10問/12分
【英語】
・論理的読解(GAB形式):24問(8長文×3問)/10分
・長文読解(IMAGES形式):24問(8長文×3問)/10分
【性格テスト】
という内訳になっています。実際に受験するのは、各科目ごとに1つの形式の問題×3科目+性格テストの計4科目になります。
この「玉手箱」の特徴として、金融系やコンサルなどGABと同じように問題を処理する速さと正確さが試される内容になっているのですが、この試験の形式はWeb受験なので電卓や計算用紙を準備することができます。そこを踏まえるとGABよりも多少取り組みやすいといえるのではないでしょうか。
またグレーな話ではありますが、Web受験という形式を生かして答えをまとめたファイルを用意してのぞむ人もいるとかいないとか…それこそ童話に宝物として出てくる玉手箱のように、各々のコミュニティで先輩たちから代々受け継がれているものもあるそうです。
そのような裏技を使って賢く切り抜けるのもよいですが、そうした多くは正確性が保証されているわけではないので、ひとまず自分の力で取り組んでみることをおすすめします。
おわりに
今回は、企業の採用で用いられる適性試験の概要と、その中でも代表的な3つのテストについてお話してきました。
今回取り上げた3つ以外にも適性試験には様々な種類があるので、自身が志望している業界でよく用いられるものがあれば、早め早めの対策をしてみてはいかがでしょうか!
また、適性検査と同時に最初の関門とされるESについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご一読下さい!