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奨学金が私の人生を変えた。若者が奨学金の返済地獄に悩む日本社会

こんにちは、かこです。学生マーケティング局tokicaで編集長をしている大学3年の女子大生です。今回は「奨学金」をテーマに記事を書こうと思い立ちました。

みなさんは、奨学金と聞いてどんなイメージが浮かびますか?「成績が良い人が奨学金もらえそう」「経済状況が悪い人が給付されるものでしょ」などと、奨学金は自分とはちょっと遠い存在の人のものと考えている人もいるでしょう。

そのように思う人が悪いとかではなく、今、日本社会で問題になっている若者の奨学金問題は実は身近にあるということを今回は伝えたいのです。私の体験談をもとに奨学金の現実を知り、不安を煽るのではなく自分の行動を振り返るきっかけになったら良いなと思います。

多種多様な奨学金、私が伝えたいのは「貸与型奨学金」

「奨学金」にも様々種類があります。奨学金とは、独立行政法人日本学生支援機構JASSOのホームページによれば以下の通りです。

経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資の貸与をおこない、また経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、『貸与』または『給付』する制度です。

独立行政法人日本学生支援機構

給付型は返還義務のない奨学金で、日本学生支援機構以外にも大学や企業独自の給付型奨学金もあります。一方で、貸与型はいずれ返還するもの。それが将来の学生のために繋がります。また、その種類も無利息の第一種と利息付の第二種に分けられています。

今回私は、学生の2.6人に1人が利用している、日本学生支援機構の「貸与型奨学金」について話を進めます。

今の日本の奨学金問題

現在の日本の奨学金問題をどれくらい知っていますか?あまり、普段は表面化しない問題です。

私は高校3年生で大学進学のために奨学金を借りるか迷っていた時に、友達から『「奨学金」地獄』という新書を薦められました。「大学卒業後にのしかかる880万円の大借金」という赤字の見出しに、不安を煽られるのもつかの間、内容はさらに衝撃的でした。

学費の高騰により、奨学金を借りざるを得なくなった学生たち。そして学生時代もバイトに明け暮れる日々が続く。大学を卒業しても3人に1人は非正規雇用の時代、生活するのがやっとで返済が3ヶ月滞り、金融機関の「ブラックリスト」に登録され、自己破産を余儀なくされている人も…。

金融機関の「ブラックリスト」。それはテレビドラマで出てくるような遠い存在だと思っていたから、私たちと同じように奨学金を借りて返済ができずに自己破産してしまう若者が多いことを知り、他人事とは思えなくなりました…。

奨学金は、経済的な理由で進学を諦めてしまう学生を救う反面、奨学金の返済義務が大学を卒業した後に重くのしかかるのです。しかし、そういった現実はあまり報道されておらず、「奨学金」の良いイメージだけが先行しています…。

だからこそ、私たち若者は貸与型の奨学金について「奨学金=借金」という認識を持って、借金を背負っているという自覚を持って生活する覚悟が望ましいと思います。(言いすぎかな…)

奨学金との向き合い方

では、私自身が奨学金とどう向き合ってきたのか。ここからは私の経験談を語ります。

一言で私が奨学金をどう捉えているかとまとめると、「将来の自分が過去の自分に投資をして良かったと思えるように、学生時代を過ごす」と決意し、大学生の期間でバイトや勉強、インターンなど時間が許す限り、自己投資をしてきました。

でも、私も最初からそうだったわけではありません。むしろ、奨学金の現実を知らないまま、何となく大学生になっていたような気がします…。

学歴マウントを取りたがる人に伝えたい。いつまで大学名肩書きにこだわってるの??

奨学金の問題に気づくまで

高校3年生の時に開催された奨学金の説明会。学年全体ではかなりの人数が参加していて、「みんな借りているから大丈夫」という心理状態でした。『「奨学金」地獄』を読んで衝撃を受けたものの、なんとなく自分なら大丈夫でしょと軽く捉えていました。

そして大学に入学。有難いことに、大学独自の給付型奨学金も頂き、少し余裕が生まれました。でも、そこからがスタートだったのです。

毎月、日本学生支援機構からの奨学金が振り込まれます。それをすべて学費に充てているのですが、すべての奨学金を足しても学費が払えないことに気づいたのです。ここは私のミスでした。借りる前にちゃんと計算していなかった自分が悪い。そして、親に少し肩代わりしてもらうことになりました。(いつか返します…)

そして、社会に出たら始まる奨学金の返済。奨学金を背負っていない人と比べて、マイナスからのスタートです。女性の場合、結婚や出産で仕事を中断しなければならない場面もあるでしょう。また、AIの台頭やコロナによる不景気など、さらに先行き不透明な社会に自分が果たして返済できるのか奨学金の返済に追われてるのではないかと、将来のことを考え始め、大学生になってから急に怖くなりました。

「カネの亡者」になり、頑張りすぎた結末…

また、大学生は学費以外にも様々な出費があります…。私の場合、片道3時間通学だったため交通費は半端なく、交通費のためにバイトをするものの、長時間通学のためにバイトをする時間がないという悪循環。(長時間通学の理由はまた別途書きます)

大学の授業1コマいくらか知ってますか?計算すると、1コマ約3000円。結構高い…!

となると、授業を休むなんてもってのほか。ということで、高校に引き続き大学でも寝坊もせず、風邪を引いても休まずに毎日通学。自然と皆勤賞に…(大学生って授業の出席割と自由だから皆勤賞の人って珍しかったりする)

1限がある日は朝5時半に起床し、片道3時間通学からのバイト。そして「奨学金という名の借金」を背負っているという自覚が強くなってしまい、カネに対しての執着心が強くなっていきました

バイトをして、手元に貯金が無いと不安になってしまう。自分への投資も友達との遊びももったいないと思うまでに、カネに追いつめられていたのです。まさにカネの亡者。

そして新しい給付型も登場したけど…

「カネの亡者」と言うけれど、当時の私は本当にそんな感じで病んでいました。でも、さすがにこのままでは良くないと何かのきっかけで気づき、「大学生の間で自己投資、スキルを磨くことで将来の自分がその分稼ごう」という気持ちに。

それが大学2年の春。行動を変えて1年、現在は積み上げてきたTwitterでの個人の影響力を活かし、様々なライターとしても稼げるようになり、コロナの自粛期間でバイトが休業になっても、以前と変わらない収入を得ています。個人のスキルの大切さを身に染みて感じているところです。

そして今年の4月、新しい奨学金が登場しました。「高等教育の修学支援制度」です。ある家計の基準を満たせば、給付型奨学金だけでなく、授業料や入学費も免除されるそうです。私も早速申し込みました。

でも、私の家庭基準だと数万円の差でダメでした。父が何度も転職し貯金が無いため、母も共働きで毎日働いているのですが、逆にそれが基準を越えてしまったのです。数年に一度退職する父は、最近仕事を辞めていないため、給料の額が安定しているのでタイミングが悪かったとしか言えません。

これだけ見たら、私は厳しい経済状況ではないと思われるかもしれません。しかし、補助を受けられないギリギリのライン。たった数万円の差で授業料も給付型も補助がない。毎日生活費を必死に稼いでくれる母。

対象の方はそれ以上の苦労があると思います。でも、微妙な差で対象に入らずに苦労している人、声を上げられない人もいます。そして、その中で必死にもがいてる。

だから、コロナの影響で「学費が払えない」と主張する学生に対して、色々な疑問が思い浮かぶのです。元々払えていたのか?大学に通う意味とは?払えないなら奨学金という手段もあるよ…

また、奨学金を借りている人も、それだけの覚悟を持って大学生活を送っていますか?ただ何となく過ごしていませんか?これからは「大卒=良い会社に入れる」とは限らない時代です。今一度、なんのために高い学費を払ってまで大学に通うのか、考えてみると良いかもしれません。

今回の記事で書いた奨学金についての意見は賛否両論あると思いますが、そういう風に思っている学生もいるんだ~という程度に覚えてもらえたらいいなと思います。奨学金を借りている人、これから借りるか迷っている人が、なにかしら考えるきっかけになったら嬉しいです。