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【街角グローバル】Vol.1「やりたいことがわからない」 その答えはインドのスラムにあった話。

こんにちは。今回より街角グローバルの連載を担当させていただくことになりました、カンボジア在住のnemuと申します。

街角グローバルは、世界各国の暮らしや働き方、学校生活などの紹介を通じて、日本だけではなく、世界を視野に入れて自分の人生を作っていく企画です。

“世界” “海外” と聞くと、言語や多文化など、多くの壁を感じてしまうかもしれません。実際にわたし、nemuも大学入学時はやりたいことが見つからず、悶々とバイトと部活動で時間を潰す日々を送っていました。

その後、様々なきっかけを経て世界を旅し、今はカンボジアで就職しています。

連載初回は、そんな “普通の大学生” だったわたしが世界に飛び出るまでのストーリーを、少しだけ紹介します。

受験に失敗し、夢も目標もない大学生活の始まり

第一志望の国立大に落ち、滑り止めの私立に進学したものの、なんとなく周りの環境に合わず、学部も変えたため進路も見えなかった大学一年生。

そんな違和感を埋めるかのように、バイトや部活動を詰め込んで過ごしていました。授業にも興味を持てず、スマホを見ながらやり過ごす毎日。

このままでは良くないと思いながらも、変える方法もわからずに悶々と過ごしていました。

「インドの子どもたちの笑顔は、とても輝いている」

大学では礼拝があり、これまた受身で単位を取るためだけに、ある日礼拝に参加しました。そこでは、インドでボランティア事業を行っている先生が話していました。

「インドの子どもはとてもかわいい。いつもキラキラと笑っている」

その一言に、わたしは小さな違和感を覚えました。

あれ?インドって大学受験の地理で勉強したけど、貧しい国じゃなかったっけ?なんでそんな国の、かわいそうな子どもたちがそんなに笑っているんだろう。

その講師は最後に、ボランティア参加の呼びかけをして礼拝を終えました。わたしは咄嗟に、さっきの疑問の答えを聞きに控室に向かいました。

その小さな一歩が、海外への大きなステップだったのかもしれません。

わたしの1時間分の授業料で、この子の学費が1年間払える

その講師に連れられ、大学一年の夏、わたしはインド・ムンバイに向かいました。

開発が進むムンバイと、その周辺に広がるスラム街。

初めての途上国、初めてのインド。ボランティアで出会う子どもたちは、アウトカーストの子たちでした。

インドのカースト制度の最下位、でもない、その外の子どもたち。アウトカーストは動物よりも低い身分だと表現する人もいます。

そんな子どもたちと一緒に遊び、歌やダンスなどを教える情操教育のボランティアを行っていました。

わたしのあげるお菓子を半分に割って、大きい方をくれる。一緒に道を歩くと石を投げつけられるのに、「ごめんね」と言いながらわたしを守ってくれる。嬉しいことがあったら、全力で笑って喜びを表現してくれる。

そこにいる子どもたちは、強く、優しく、わたしが日本で勉強した “かわいそうな子=苦しんでいる” という印象はどんどん薄れていきました。子どもはみんな同じなんだ、と彼らのキラキラした笑顔を見ながら感じたのを覚えています。

ただ、彼らから一歩目を離すと、そこには厳しい現実があるのも事実。差別、貧困、環境課題や保健の課題。同じ “子どもの笑顔” でも、それを支えているのはとても不安定なものたちでした。

こんなに素敵な子どもたち。どうやったら彼らの未来を良くできるんだろう?インド人スタッフに聞くと、「彼らが公立の学校に行くとしたら、少なくとも年に4-5000円はかかるかな。彼らにとっては高額すぎて難しいよ」との返答が。

それは当時、わたしが通っている私立大学の1時間の授業料と変わらない額でした。わたしがスマホをいじって居眠りして過ごす1時間の授業。その時間分のお金があれば、彼らは教育を受けることができる。

大きな衝撃でした。わたし、なんて貴重な時間を無駄にしてたんだろう。

自分の専門と、関わりたい課題の繋がりを見つけて

帰国後、わたしの学ぶ分野がそんな子どもたちの生活をどう良く変えていけるのか、必死で考えるようになりました。次第に授業に集中するようになり、知りたいこと、取りたい授業も増えました。

そして、その積み重ねは “やりたいこと” を見つけることへと繋がり、その夢を叶えるため、大学を休学して世界を旅し、計4か国の留学を経て、新卒でカンボジアで働くという選択をするに至りました。

留学先のモロッコで、休日に訪れた砂漠での一コマ。

全ては小さな違和感と、勇気と、インドの子どもの笑顔が、先の見えなかったわたしを変えてくれました。

世界最強のパスポートを持つわたしたち

あまりにも身近だけど、忘れがちな事実。それは、日本のパスポートは世界 “最強” だということ。多くの国にビザなしで入ることができ、一定期間滞在することができます。

仕事があり、義務教育や保健医療が整い、安心・安全に暮らすことができる日本。一歩外に出てみると、それは当たり前ではなく、本当に恵まれて幸せなことだと実感することでしょう。

日本から遠く離れたアフリカ・セネガルの夜。

そんな環境で育ちながらも、「やりたいことがわからない」と悩んでいた日々。そんなわたしを変えてくれたのは、皮肉にも、一歩飛び出して海外で重ねた経験たちでした。

日本でやりたいことが見つからなければ、それはもしかしたら海外にあるのかもしれません。人々の価値観も、生き方も、抱える課題だって国の数、人の数だけ世界中に溢れています。そんな中に飛び込むとどんな自分に出会えるのか、考えただけでもわくわくしませんか?

地球上を旅し、遊び、学ぶ。そんなことが可能な時代に、わたしたちは生きています。今抱えているもやもやの答えを見つけるのに必要なものは、少しの勇気だけなのかもしれません。

大学は人生の夏休みじゃない?

日本には「大学は人生の夏休み」だという人がいます。ただ、本当にそうなのでしょうか。それでいいのでしょうか。

確かに海外の大学に比べると、日本の大学生は休みの多さや課題量を見ると時間がある方なのかもしれません。

その空き時間をただ消費することに使うのか、それとも何かに “投資” してみるのかで見えてくる世界は大きく変わるはず。

バイトで貯めたお金を長期のフランス留学へ投資。美しい村が残された田舎町は絶景ばかり。

大学 “だけ” を夏休みのように楽しむのか、それとも、そのあともずっと夏休みのように充実した人生を送れるのか。まだ若くて可能性に溢れたわたしたちは、実はそんな岐路に立っている時だったりします。

本連載では、様々な国の働き方や生き方、そしておすすめの場所やグルメも含めて魅力をたくさん紹介していきます。

何かびびっ!と来るものがあれば、ぜひ心に正直になって。自分らしく、彩り豊かな人生を作っていきましょう。