「新卒で大手企業に入った方がいいよ」
親からよく言われた言葉。大手企業に入る事を自然と期待されているような…新卒で入社するなら大手企業目指さなきゃな~と漠然と思っていた大学生時代大学3年生になり、就職活動が本格的に始まってから改めて考えると果たして本当にそうなのか?色々な選択肢が見えてきました。
同じ悩みを持っている人、将来の就活が不安に思っている方に少しでも力になれると嬉しいです。
大手企業という明確な定義はない
大手企業。大手企業という定義も人それぞれ違うかもしれないので、ここで定義を調べてみます。
大手企業に法律上の定義はないとのこと。一方、中小企業は中小企業基本法で資本金・出資の総額、従業員数が定義されています。そのため、一般的には中小企業よりも大きな規模の組織が大手企業と呼ばれているのです。実際、大学生でもこの事実を知らない方も多いと思います。また、有名企業、人気業、上場企業など様々な呼び方がありますが、ずべてが大手企業とイコールではなく、中小企業である場合もあります。
まずは大手企業とは自分の中でどういった定義なのか、明確な定義がないので考える必要がありますね。従業員数で考えると、中小企業の定義から大手企業は301名以上の従業員数と考えられます。それでは、大手企業は全体の何割ほど存在するのでしょうか?
「2019年版中小企業白書」によると、大手企業は全体のわずか0.3%という数字が出ています。このように、企業の数は少ないですが、従業員数で見ると労働人口の約30%が大手企業で働いているということになります。
大手企業のイメージが掴めたでしょうか?よく言われる大手企業の話。そもそも定義が明確ではないことを前提に考えると、漠然とした不安が少し無くなるような気がします。
大手企業と終身雇用の崩壊
なぜ、親は「大手企業が良い」などと意見を持っているのでしょうか?
大手企業のメリットとしては、福利厚生が良い、ネームバリューがある、教育制度が充実、給与が高い、転職活動に有利、安定している…など。特に親だと福利厚生、給与、安定しているなど良い条件が整っている企業を選んで欲しいと思うのは当然かもしれません。
また、親の世代は「一度大手企業に入れば安心」いわゆる「終身雇用」の考え方が根深く残っているからです。確かに親の世代はそれで良かったのです。
しかし、新型コロナウイルスの流行により実感した方も多いかもしれませんが、大手企業であっても定年まで安泰という時代ではありません。トヨタの社長も「終身雇用は守れない」と。終身雇用、年功序列はひと昔前の話。今の時代、これからを生きていく私たちは、親の世代と価値観が違って当たり前なんです。よく言われる「公務員=安定」も最近は変化が起きています。
過渡期のような状態である今。自分からこうした社会の変化を知ろう!と思わなければ情報を得ることはできません。親や周りはまだまだ大手企業が安定だと思っている方が多いです。私も、親を説得するのに時間がかかるくらい…
大手企業が悪いということを言いたいのではなく、大手企業が安定だと思って就活をしてしまうと、その後後悔することになってしまうからです。そもそも、大手企業が安定だと入社をするということは、企業に入る事が目的の就活になっていてあまり意味がないのですが…「就職活動」はその名の通り、自分がどんな仕事をしたいのか、働き方をしたいのかを考えて企業選びをするべきであって、大手企業、ベンチャーがといった議論は本来ナンセンスです。
大手志望なのにベンチャー、メーカー志望なのにテレビ局を受ける? 〜22卒学生のジョブ型就活〜 【街角就活体験記#2】
大学生に入学してからポータブルスキルが必要だと感じて
私も大学入学当初は、大手企業=安定だと信じていました。しかし、AIに仕事が代替される世の中が近い未来に訪れる…といったニュースを耳にし、いずれ淘汰される時代が来るのだなと漠然とした不安を抱いたのが大学1年のおわり。
これからは、大学名とか企業名ではなく、個人のスキルを高めて、どこにいっても活躍できる人にならないと!と「ポータブルスキル(持ち運び可能スキル)」の重要性を感じました。
私は大学生活の前半で、こうした結論に至り、学生団体の運営、インターン、ライターなど色々な経験を積んできましたが、就活の際に気づいたとしても遅くないはずです。これからどうするか、すべては自分の行動次第。私は残りの大学生活1年も、自身のスキルアップに励みたいと思っています。
就活は自分のものさしで考えること
就活は「自分のものさしで考えること」。よく言われる言葉ですが、本当にその通りだなと思います。今回私が書いたことも、私の”ものさし”でしかないです。それぞれが持っている”ものさし”を見つけて、将来について考えることが良い就活を迎える第一歩なのだと思います。