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ブランディングは仕事に役立つだけじゃない!相手にどう魅せるか考えるコミュニケーション(前川寛洋)

Intro
今回は、街角キャリアラボで「ブランディング講座」を担当いただく前川寛洋さんに「ブランディング 」というスキルについて語っていただいた。学部3年で大学を中退し、人材系スタートアップ企業の拡大フェーズに、中核メンバーとして参加。その中で、「採用ブランディング」というスキルを育み、2020年には採用コンサルティングを提供する会社(Game Changers)を創業した。並行して、フィンテック(金融)系スタートアップ企業で経営企画を行うという二つの仕事を両立させている。
そんな前川さんに、キャリアの選び方、「ブランディング 」の魅力についてお伺いしてきました!
※この記事は、2021年7月時点の情報をもとにしています。

キャリア選びの軸は、「日本の社会の幸せを増やせるか」

街角編集部
街角編集部

まず、初めのキャリアとして人材系スタートアップ企業を選ばれた理由はなんですか?

前川さん
前川さん

大学生だった当時、先輩の就職活動の話や日本の雇用課題に関するニュースに触れ、「大学生が社会に入った瞬間、なぜ辛そうな顔をしているのか」課題観を感じたからです。当時は、今に比べてリモートワークや働き方改革などはまだまだ浸透していなくて、そこに対して何かできないかと思いました。

街角編集部
街角編集部

そこまで前川さんを突き動かしたのは、どのような思いだったんですか?

前川さん
前川さん

大きな話になってしまうかもしれませんが、私は、日本の社会の幸せを増やしていきたいと思っています。そのために、幸せを減らしているものに対して何かしたいと、考えていました。特に、社会人になれば仕事をしている時間は、1日の大半を占める。その時間を楽しく過ごせるようにすれば、幸せな人が増えるのではと思ったんです。

街角編集部
街角編集部

前川さんのご経歴を拝見し、昨年フィンテックの企業に転職され、かつコンサルティング企業を創業されています。転職し、兼業 を始められた理由は何だったのでしょうか?

前川さん
前川さん

まず、雇用市場が変わったということがあります。人材系企業に入社した当初は、生涯をかけて課題に立ち向かうぞ、という思いでした。しかし、入社して3年ほどで社会における働き方や雇用の在り方が大きく変わりました。具体的には、先ほど少しお話した、リモートワーク化や働き方改革が浸透してきたことが挙げられます。入社した当初考えていたよりもずっと早く、社会における働き方が変わり、他の社会課題に視野を広げる機会を得ました。

そこから、 フィンテックに関心を持ったのは、コロナウイルスが流行し経済的な不安が社会に蔓延したことに課題観を感じたからです。世の中に経済的な不安を抱えている人が多くいることを目の当たりにし、お金と幸せの関係性に挑戦してみたいと思いました。そこで、安定性の高い資産形成や資産運用に関わる事業を行っている会社に転職。少しでもお金に関する課題を解決できるよう、経営企画に携わっています。また、それまで積み上げてきた採用ブランディングも続けていきたいと思い、コンサルティング会社を創業。兼業することにしました。

採用ブランディングによって、学生と企業のイメージを結びつける

街角編集部
街角編集部

今回のインタビューテーマである、「ブランディング」について詳しくお伺いしたいのですが、実際にはどういうスキルなのでしょうか?

前川さん
前川さん

まず、ブランディングとは、相手に抱いてほしいイメージを実際に抱いてもらうための取り組みであり、他者と差別化された独自の価値を感じてもらうという効果を生み出します。例えばスポーツをした後で喉が乾いたとします。そのときに皆さんは何を思い浮かべますか?恐らく自然と有名なスポーツドリンクが思い浮かんだと思います。

このようにある特定のニーズが発生したときに、自然と特定のものが想起される状態(つまり特定条件下においてそのものが特別なものだと識別させること)を戦略的に実現するのがブランディングといえます。

そして私は、その仕組みを採用というフィールドに生かし、企業が求職者から抱かれたい企業イメージを正しく伝え、浸透させる取り組みとして、採用ブランディングという活動を現在は推進しています。

街角編集部
街角編集部

そのスキルに出会ったきっかけは何だったのでしょうか?

前川さん
前川さん

私が課題に感じていた、就職活動におけるミスマッチを減らせる手段として興味を持ちました。入社してみると、説明会で言っていたことと会社の実際が全く異なるというようなミスマッチが、就職活動では多くあります。それは、企業側のイメージと学生側のイメージのギャップから生じていると考えました。

ミスマッチの背景に気が付いたのは、人材系スタートアップ企業において、学生と採用企業双方の視点に触れる機会があったからです。学生が抱いているイメージが、私自身の知っている企業イメージと異なること。企業の伝えているメッセージに一貫性がなく、きちんと伝わっていないこと。こうしたことがきっかけで、採用ブランディングの重要性を痛感しました。

街角編集部
街角編集部

採用ブランディングを実践して、やりがいを感じた事例について教えてください。

前川さん
前川さん

私はブランディングをするにあたって、いかに企業と学生が抱くイメージを一致させることができたか、を大切にしています。それを踏まえて、ある大手メーカーの採用ブランディングの事例が印象深いです。

その会社は、誰もが知っている会社であり、認知は圧倒的にあったのですが、学生のほとんどが「大企業」であるという点にひかれて受けに来ているという状態でした。一方、企業としては、リーダーシップや先導力のある人を求めている。有名がゆえに、正しく認知されていないイメージをどう伝えるか。このような背景で、ブランディングに挑みました。

街角編集部
街角編集部

イメージを一致させるために、どのような取り組みを行うんでしょうか?

前川さん
前川さん

ブランディングの第一歩はブランドを明確にすることです。つまり自分たちは何者であり、何を目指しているのか、といったブランドの源泉となるアイデンティティを策定します。次にそれに対して自分たちの現在地を知るための活動を行います。具体的に自社では、学生からどう思われているのか、その理由はなぜか、といった調査を行い現状を把握しました。

その後、ターゲットとなる人物を知る活動を行います。何に興味があり、どんな活動をしているのかといったブランドを浸透させる余地を探り出します。そしてこれらの調査や分析を踏まえ、施策やコミュニケーションの戦術を策定し、それらを実行する計画に落とし込んでいきます。施策はイベントを企画したり、パッケージデザインを変えてみたり、特設サイトを開設してみたりと、多種多様な方法から検討するんです。

~ブランディングの過程~

  1. ブランドを明確にする
  2. 自分たちの現在地を知る:どう思われているのか、その理由はなぜか
  3. ターゲットを知る:何に興味があるのか、どんな活動をしているのか
  4. 施策や戦術を策定し、実行する:イベント企画、パッケージデザインetc…

前川さん
前川さん

こうした過程を経て、この会社に興味を持つ多数の学生のイメージを変えることができました。採用は、企業にとって新たな戦力となる人材を決める大事な役割を担っています。採用ブランディングを通して、企業の根本的な採用課題を解決することができた事例であり、企業と学生をまさにwin-winで結びつけることができたと考えています。

発表を行う前川さんの様子

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ブランディングでは、中身を理解することが求められる

街角編集部
街角編集部

改めて、ブランディングの魅力とはどういうところにあるのでしょうか?

前川さん
前川さん

一番の魅力は、経営から発信先へのコミュニケーションまですべてに関われる点だと思います。ブランディングと聞くと、ある商品を良く見せることだと考えがちですが、重要なのは会社全体として一貫した活動をいかに継続してやれるか、ということです。経営理念から一商品のキャッチコピーまですべてが一貫していないと、イメージを形成できなかったりする。

そのためには、会社の経営理念・経営戦略を理解することが必要になってきます。そして、先ほど述べたように、どのようにメッセージを打ち出すかを決める部分にも携わるため、ブランディングというスキルを身につければ、経営からコミュニケーションまで活躍できるフィールドが幅広くなると感じます。

街角編集部
街角編集部

なるほど。それは、職務以外の日常生活でも生きるのでしょうか?

前川さん
前川さん

生きると思います。ブランディングは、相手に自分が思ってもらいたいイメージを思ってもらう取り組みなので、そのフレームワークを生かして自分を優位なポジションに移動させることができるからです。

例えば、「企業に入社した後に新規事業をやりたい」というのであれば、新規事業に適任である人だと識別してもらう必要があるので、普段の会話で創造的な話を意識したり、積極的に新しい方法を取り入れたり、国内外のトレンドを仕入れる動きをしてみたりと、自分をどう魅せるかという視点に立った活動ができるようになります。このように、ブランディングは広くいえばコミュニケーションの一貫であり、汎用的で魅力的なスキルだと思います。

街角編集部
街角編集部

たしかに、コミュニケーションの一つ一つがブランディングになりますね。最後に、この記事を読んでいる学生にメッセージをお願いします!

前川さん
前川さん

今回は私の経験をお話ししましたが、実際に体験してみないとブランディングという言葉のすべてを理解するのは難しいかもしれません。ですが、ブランディングを少し知っているだけで、世の中に伝えたいサービスや取り組みを広げる活動に役立ったり、自分が挑戦したいと思ったことにどう取り組めばいいのかヒントになったりすると思います。

ぜひ、ブランディングスキルについて学んでみてくださいね!

MEMO

前川さんによる「ブランディング講座」は、2021年11月17日より全3回開催されます!申し込みはこちらから!
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