こんにちは、街角キャリアラボオーナーの羽田です。
全くゼロの状態から「街角キャリアラボ」を立ち上げるにあたり「今の大学生の感じ」を探るべく、三人の女子大生に話を聞いてみました。彼女たちは僕が前職時代に一緒に活動していたことがあり、自分たちでイベントを企画したりWebサイトを立ち上げてマネタイズに挑戦している”動き出した学生”。街角キャリアラボにぴったりだなと思って気軽に話を聞いてみたのですが・・・。
そこで直面したのは「就活」の存在の重さと大きさでした。「わかるわかる」という方も「そうかな?」と思う方も、コーヒー片手にお気軽にご覧ください!
*この座談会は2019年11月上旬に行われました。
登場人物紹介
ほのか 慶應義塾大学 文学部 2年生
好きな食べ物はトンカツ
のりぴー 日本女子大学 家政学部 2年生
好きな食べ物は明太子
きっこ 白百合女子大学 文学部 2年生
好きな食べ物は餃子
羽田 Strobolights 所属
好きな食べ物はデニッシュ生地
大学1,2年生のうちから“就活”を意識しちゃう件
さて、今日は僕が新しく始める街角キャリアラボの構想を考える上で、今の大学生のリアルなところが知りたくてこうして時間をもらったわけですが。
私たちでいいんですか?
なんというか、三人ってちょうどいい感じがするんですよね。
なんかそれ、響きが失礼な感じしますけど!
(無視して)三人って、特別意識が高い感じもしないけど、初対面同士なのにちゃんと仲良くなってイベントを0から企画して成功させて、それに飽き足らずに三人でWebメディアすら立ち上げちゃったじゃないですか。僕が新しく始めたいサービスって、まさに「普通なんだけどやれば出来る子」「何か動き出したい人」を対象にしたいので、ぴったりだなあと。
ありがとうございますー。
で、聞きたいんだけど、そもそも何で自分たちでイベントやろうと思ったの?
うーん、なんか大学生になって何をやればいいのか全くわかんなかったんですよね。授業行ってサークルしかやってないなーって。んで、私はまだ二年生ですけど、就活になった時に「自分は何もしてなかったな」と思いたくないなって。
ほうほう。
私はもともと、将来は保育園のビジネスをやりたいと思ってるんです。私の学科は保育士志望の子が多いんですけど、入学してから給料の安さを知って夢を諦める子が多くて、勿体無いなと。で、将来自分でビジネスやるためにまず就職しないとで、そのための修行みたいな感じですかね。
私は女子大で周りの子たちが全然就職のことを考えてないんですね。最初から一般職しか考えてない、とか。そんな環境にちょっと危機感を感じていたというか、自分で何か動かないとって思って。
ちょっと待った。
はい??
全員就活っていう言葉が出てきたけど、みんな就活目的なの?
えー、就活目的ってほどじゃないですけど・・・。
まあでも、大学生は少なからず関心あるんじゃないですかね、就活は・・・。
私は今年から営業の長期インターン始めたんですけど、私が働いている会社って他にも学生インターンがたくさんいるんです。で、彼らはみんな就活目的ですね。インターンの経験を自己PRで使ったり、インターンで知り合った他の会社からオファーもらえたり。
ちょっと待ってくれ。2年生のうちからそんな就活考えてるもんなの・・?
私の大学は、1年とか2年のうちからそういうガイダンスがありますよ。就活を意識して学生生活を送りなさい、みたいな。
あー、うちもある。そういうの。
いや、キャリアを考えるのはすごくいいことだと思うけど、そうじゃなくて”就活”なの?
まあ、といっても、大学1,2年生のうちに実際にできることって長期インターンくらいしかないですけどね。長期インターンは留学するより身近でコスパがいいイメージがあります。
長期インターンは就活のためにやるものなのか?
長期インターンって就活のためにやるの???
インターンは、大学生はみんな「行かなきゃ」って思ってると思いますよ。実際に行くのは3年生になってからの人が多いと思いますけど。
うん、積極的関心というよりは義務感に近い気がする。「行かないとだめ」っていう。
何で行かないとだめと思うの?
それは就活でいい会社に入るためですよ。就活が前倒しになっててスケジュールなんて意味がないなんてみんな知ってる。で、何かやらないとと思っていると選択肢は長期インターンしかないです。
お給料ももらえるし、どうせバイトやるならインターンのほうがいいかなという。
うーーん・・・。3年生が就活のためにインターン行くのはわかるんだけどさ、1、2年生も就活のためなのってどうなんだ。
私は長期インターンはやってないです。二人はインターン頑張ってるみたいだけど、バイトとインターンって違うの?
そう、、ね。。あんまり考えたことなかったけど言われてみれば私の中でその二つは意味合いが違う気がする。
私、バイトもインターンも両方やってるけど、バイトの方が気が楽で、インターンは「やっとかなきゃ」って感じ。さっきも言ったけど、義務感とか使命感に違い気がする。
もちろん、就活のためとか言いながら、やってみると長期インターンは楽しいですよ。普通の学生生活では体験できないようなこともできるし。ただ、最初の入り口というかきっかけは、就活目的の人が多いんじゃないかなと思いますけどね。
そうねー。仕事体験とか社会勉強のつもりで1、2年生から長期インターンをするのは大賛成なんだけど、「就活の自己PRのため」ってなるとそれは「おや??」と思っちゃうけどね。
というか、今の日本の学生にとって「就活」ってそこまで重いものなのか・・・。それが衝撃ですわ。
えー、じゃあ羽田さんにとって就活ってなんなんですか?
僕なんかはさ、会社辞めようと思って転職活動もしたわけです。就活じゃないけど、まあやってることは一緒だよね。
それで、僕は転職活動って楽しかったんですよ。自分のこれまでを整理して言語化して、その上で今後の自分の将来をどう描くか。自分の将来を開くための窓口として転職活動があるってだけで、嫌なものでは全然なかったし自分の可能性について考えるのは楽しかった。
でも聞いていると、学生にとっての就活は辛くて重いもの、という印象なんだよね?きっと。
そうですね、、就活は、最終ゴールってイメージが大きいですね。ここで失敗するとその先の人生が大変、みたいな。
イヤイヤ、確かにファーストキャリアは大事だけど、そこまで重いもんでもないでしょう・・・。つっても、伝わらないと思うけど。
私も就活で人生がある程度決まっちゃうと思ってますね。
私、インカレサークルに入ってるんですけど、そこの理系男子の友達がいて、彼は院進学するんです。で、その理由を聞くと「理系は院まで行かないと就活で不利になるから」って言ってて。
あー、文系も理系も就活ゴールなのは変わらないんだなと思いました。
うーん、、私はちょっと違って、就活って正体不明感が強いのが嫌なんですよね。
正体不明感?
大学受験は勉強すれば何とでもなるじゃないですか。対策もできるしこれまでの傾向もあった。
でも就活はそうじゃないですよね。受験は紙が相手だけど、就活は人が相手。どうすればいいんだろうって。
あーなるほど・・・。
今受験の話出たけどさ、今みんなは大学2年生で、3年生の終盤から始まる就活のことを今から意識して動いてるじゃない。で、大学受験の時はどうだったの?つまり高校2年生の時から受験のことをそこまで考えて行動してたの? 進路選びって意味では同じだと思うけど。
えーどうだろう・・・。年齢のせいもあると思うけど、大学生にとっての就活ほど、高校生の受験は重いものじゃなかったかな・・・。
うん、多分。というか、就活を見越して大学受験考える人も多いと思いますよ。
何と・・・。そこまで就活って存在感でかいものなのか・・・。
やりたいことがないから”就活”にこだわる
でもどこに就職するかによって人生変わるのは間違いないじゃないですか。
就職した後も本人の努力次第なんでしょうけど、人生乗り越えていく難易度は年を重ねるにつれて絶対高くなりますよね。
それはまあそうなんだけど。じゃあその人にとって人生の幸せって何なの?という定義ができてるのかなと。就活云々の前にそういうの考えてないでしょ。自分のやりたいことって何だろう、とか。 目的の前に手法論に走っちゃってない??
あー、それは違いますよ。やりたいことがないから就活するんですよ。
・・・お?
私は就活=お金だと思ってます。大金持ちになりたいと思っているわけじゃないけど、いい暮らしがしたい。ちょっとした贅沢は味わいたい。余裕を持った暮らしがしたい。
やりたいこととか、人生の指標みたいなものがないから、お金や立場を取りに行くしかないんです。
うん、それはわかる。人を判断する時に立場や所属で見られることが多い。だからまずはそれを取りに行ってる感覚はあるね。
インスタと同じ感覚なのかな・・・。映えるキャリアというか・・・。
そこに引っ張られちゃう感じはわかります。
でもその割に何をやればいいかわからない。スペックを試されてる感がすごいある。
じゃあ街角キャリアラボで大学生向けの企画をやる場合はどんなのがあれば大学生に受けると思う?
うーん・・・どういうところを企業が見てるかを知りたいかな。何をすればいいのか本当にわからないから。
いろんな人の学生時代の活動やデータを知りたいですね。ロールモデルというか、お手本になるような情報。
私は自分を客観視してくれる人が欲しいですね。自分のことってわからないから。
うーん、多分そういうのはいづれもやんないと思うけど、エッセンスやヒントはすごくたくさんもらえた気がします!ありがとうございました!
えっ、全部やらないんだ(笑)
あとがき
今日は自分たちで動いていく地力を持った都内大学2年生の女子三人に話を何気なくヒントをもらいに話を聞いてみたのですが、まさかこんなに「就活」の存在が重くのしかかっている事に驚きました。
何となく僕が思ったのは、「方法」「正解」「尺度」にがんじがらめにされる高校生までの生活があるからこそ、そういうものが存在しない社会の入り口である「就活」の得体の知れない不気味さが嫌なんだろうなあと、そう感じました。
これは根深い問題だなあと思いつつ、幸い彼女たちのように焦燥感に駆られながらも自分で動いて情報を取りに行こうとする学生たちもいるわけで、そこに何らか働きかけていきたいなと改めて思いました!
街角キャリアラボでは、そんな学生さんたちにちょっとでもちゃんと考える機会を設けていきます。無料イベントとか、是非気軽に遊びに来てください!