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Wantedlyお兄ちゃんこと小林宥太さんに、キャリアとスキルの話を聞きに行ったら納得感しかなかった件

Career Building SPECIALインタビューでは、学生や若手社会人の「キャリア」について第一人者や先駆者にお話を聞いていく、という趣旨のインタビューシリーズです。第二弾は「Wantedlyお兄ちゃん」として有名な小林さんにインタビュー。学生スタッフの長澤が同行してお話を伺ってきました。

Intro

副業やスキル、キャリア観の発信で各種メディアに引っ張りだこの小林宥太さん。Wantedlyの運用で一躍有名になり、「Wantedlyお兄ちゃん」と呼ばれることも多い小林さんだが、その正体は「バイトル」などで有名なディップ株式会社の新規事業開発部門である次世代事業統括部の採用担当だ。
実は筆者(羽田)は彼が学生だった時に一度会ったことがある。当時からイベントを企画したり就活生向けfacebookグループの管理人として活動していた彼だったが、今では新世代のインフルエンサーとして活躍している。
そんな彼にこれまでとこれからのキャリアについて、学生スタッフとインタビューをしてみた。そこで語られたのは、圧倒的な自己理解と合理的なキャリア観だった。

WillよりもCan。”できること”から考える、キャリアのあり方

WANTEDLY VISIT AWARDS2019で受賞!
羽田
羽田

お久しぶりです。昨日、たまたまvoicyを聞いていたら小林くんの言っていた「willよりもcanを」という話にとても共感して。この街角キャリアラボも「できることを増やす」ことがキャリアを作っていくポイントだと思ってるんです。今日は小林くんに、これまでのキャリアの考え方や日々学生と面談していて感じることなんかを聞いてみたく。

小林
小林

わかりましたー、よろしくお願いします。

羽田
羽田

そもそもなんですけど、今みたいな活躍の原点は大学時代の活動ですよね?イベントを企画したり学生の就活facebookグループを運営していたり。

小林
小林

そうですね、でも僕、実は大学入って最初の2年間は競技かるたばっかりやっていたんです。イベントを企画したりしてると”意識高い”と思われがちですが、大学2年生までそういった人たちとは全く違う世界に僕はいました。そういう人たちが色々発信しているのは知っていましたが「意識高いなー」と思ってたくらいです。

羽田
羽田

あれ、そうだったんですね。元々活発だったのかと思ってました。

小林
小林

全然。ただ大学3年生の時にたまたま知人に頼まれて学生団体の活動を手伝ったんですよ。イベントを企画したり集客したり。それを一生懸命やってるうちにだんだん自分でコツが分かってきて、団体の傘を借りずに自分主体でやってみようかなと思ったんです。

長澤
長澤

どうして自分主体でやろうと思ったんですか?

取材は六本木一丁目のディップ本社で。景色がすごい・・・!
小林
小林

どうでしょう。仕切りたい、というのが元々の性格だからじゃないですかね。主語が「所属してる組織」じゃなくて「自分がやってる」ということが大切だと考えたんですよね。好き勝手やっていいなら団体に所属し続けるという選択肢もあったかもしれませんが、そうでもなかったので。実際、自分で始めてそれなりに稼げるようになりましたし。

羽田
羽田

なるほど、その辺りの考え方に今のご活躍とか動き方があるような気がしますね。でもそれなら何でディップに?就活じゃなくて起業しようとは思わなかったんですか?

小林
小林

うーん、当時から稼げていたので個人事業主としてやろうかなとも考えました。でも僕、飽き性なんでずっと同じことやってても飽きるかなと思ったんですよね。あと、個人事業主だと全部自分でやらないといけないじゃないですか。僕は営業をゴリゴリやるタイプじゃないんで、そんなことしてたら疲れちゃう。

羽田
羽田

(笑)。冷静なんですね。そんな中でどうしてディップに?

小林
小林

自分の強みや経験がそのまま生きるなと思ったからですね。僕は会社で選ぶんじゃなくて「僕ができること」で選んだんです。僕はバイト経験もほとんどなかったし「バイトル」も使ってなかったから、ぶっちゃけディップの事業自体に興味があったわけじゃなかった。ただこれまで就活系のイベントをやってて、人材業界のノウハウや人脈はあった。だからそれ以外の業界に入るとこれまでの資産が0になっちゃう。だから人材業界に行こう、とは思っていて。

長澤
長澤

なるほど。

小林
小林

そして人材系で「企画職」として1年目から配属を確約して採用してくれるのがディップだけだったということです。人材系って、大体まずは営業じゃないですか。

羽田
羽田

まあそうですね。人材系に就職した圧倒的多くの人は、新卒時に営業として働くことが多いと思います。

小林
小林

ディップはそうじゃなかったんですよ。それまでオフラインで人を集めるということはやっていたから、Webの知識をつける為にSEOが学べる部署を最初は希望してたんですけど、内定者インターンとして働いていたのが新規事業開発の部署で、入社後もそこに配属になりました。結果的にはそれで良かったと思いますけど。

羽田
羽田

確か、留年してましたよね?

小林
小林

はい、しましたね。2回留年してます。でもそれがよかったんだと思います。

学生時代からイベント企画を担当。そのキャリアが今に生きている。
羽田
羽田

と、いうと?

小林
小林

キャリアを考えるために自分の特性や強みを発見して理解しようと思ったら、大学生活4年間は丸々必要だと思うんですよ。僕の場合、最初の2年間は競技かるたばかりしてたから全然キャリアに繋がってないんですよね。だから大学6年間でちょうどいい。

羽田
羽田

ほお・・・大学3年生から就活を意識してる学生が圧倒的に多いと思いますが、それでは遅い、と。

小林
小林

ストレートで卒業したいなら3年から考え始めたんじゃ遅いですね。だからみんな就職先を間違えるんですよ。

長澤
長澤

・・・それは普段、面接で多くの学生とお会いしてるからこその印象ですかね。。学生と会っていて何か感じることはありますか?

みんな考える事を放棄している。だから、苦しむ

小林
小林

うーん、考えてない人が多い気がしますね。ちゃんと自分のことを考えて入社する会社を選ばないと。今は空前の売り手市場だから自分の実力より上の会社に入ることはできるけど、後々辛いことになりますよ。ちゃんと大学生活でキャリアの種を作って、その延長線上の就職をしたほうがいい。入社してから0からキャリアをスタートしてるようじゃ、せっかくの大学生活が無駄になりますよ。

羽田
羽田

そんなこと考えてたんだ・・・。すごくキャリアに対して自覚的なんですね。失礼ながら、意外でした。

小林
小林

僕、めっちゃ考えますよ。普段こんな格好してTwitterばっかやってるから何も考えずに楽な仕事してると思われがちですが、実はかなり計算してやっています。自分のこともかなり冷静に捉えています。

メチャメチャ冷静にキャリアを語る小林さん。納得感ありまくり。
長澤
長澤

どうしてそこまで考えるようになったんでしょうか。

小林
小林

だって楽したいじゃないですか。僕はやりたい事をやりたいし、やりたくないことはやりたくない。めちゃくちゃ考えた方が結果的には人生楽ですよ。みんな楽をしたいはずなのに考える事を放棄してますよね。考えないで周りの流れとかに乗っちゃう人が多い。

長澤
長澤

・・・。確かに私もよく考えずに就活の流れに乗ろうとしてるかもしれません・・・。

小林
小林

学生さんの場合は、先輩からの情報が悪い方に作用してますよね。「就活、適当にやったらうまくいった」みたいな先輩情報、多いじゃないですか。だからみんな考えない。

羽田
羽田

結局、「就活成功した」と言ってる人は就活時点までの話しかしてないって事ですよね。その先のキャリアまで踏まえた上で就活をしてない。

小林
小林

そうですね、僕の場合は大学の後半4年間を使って自分の強みや経験の資産ができて、それが生きる就職をしたから今がある、と思っています。

 Wantedlyお兄ちゃんが語る、自分の強みの作り方

長澤
長澤

自分の強みってどうやって作ればいいと思いますか?

小林
小林

強みの作り方は地道に継続することですね。質じゃなくてまずは量です。

長澤
長澤

質じゃなくて量なんですね・・・。

小林
小林

何かをめちゃくちゃ頑張ってやってください。最初から質なんて目指さなくていいから、自分が勝負しようと思った分野で量をこなしてください。

羽田
羽田

量をこなすのって難しいと思うんですが、小林くんはどうして量をこなせたんだと思いますか?

小林
小林

元々マメだったというのもあると思います。でも、才能あふれる選ばれし者だったらそこまでしなくてもいいけど、そうじゃない人はマメに継続するしかないですよね。他がついてこなくなるまでやるんです。

羽田
羽田

小林くんの場合は何についてそこまで量をこなしたんですか?

小林
小林

僕の場合はWantedlyの運用です。学生時代から集客はやっていたので、そのノウハウも生かしながら今度はWantedlyを使って人を集める、という事を始めたんです。Wantedlyって企業のブログ機能みたいなのがあるんですが、あまり使いこなしてる企業がいなかったんですよ。僕はもともとWantedlyのユーザーだったこともあって、これはブルーオーシャンなんじゃないかなって。だからせっせと記事を書いたり、面倒がらずに1対1で求職者と会う、みたいなこともしていました。

よし、Wantedlyお兄ちゃんに相談しに行こう。
羽田
羽田

Wantedlyの世界観にあった使い方をしてたってことですかね。そうしたら表彰もされて、「Wantedlyお兄ちゃん」として小林くん自身が有名にもなって・・・という流れですね。副業の仕事の依頼もWantedlyに関することですか?

小林
小林

Wantedlyのコンサルや勉強会の講師みたいなこともしていますが、今はそれに限りませんね。実はそれまで、僕自身の情報発信のメインツールにFacebookを使っていたんですが、Twitterに変えたら色々なところから仕事の相談が来るようになったんです。

羽田
羽田

ほう、どんな仕事が?

小林
小林

最初は集客やWantedlyを活用した採用手法の相談が多かったですが、スタートアップやベンチャーはあらゆることに困ってるので、僕が貢献できそうな分野があったらこちらからご提案したりしますね。自分ができることで、なおかつやりたいことならそれは僕のキャリアになりますから。自分がやりたい事を探すんじゃなくて、何ができるのかを見極めて、 自分ができることに対して求めてる企業を探す方が圧倒的に楽なんですよ。

長澤
長澤

今後はどんなキャリアを考えているんですか?

小林
小林

そうですね、このままWantedlyお兄ちゃんでもいいんですがそれだとそのうち飽きちゃいそうなので、これからは僕に会えばどこかに繋がる、というお兄さん、というかおじさんになっていきたいですね。だから最近はLINE@でいろんな人の相談に乗ってます。ディップが合ってるなと思ったらディップを勧めてみるし、そうじゃなければ他の会社を紹介したり。だからお気軽に相談してくれると嬉しいですね。

羽田
羽田

学生時代から自分の強みをちゃんと作って少しずつステージを変えてるって感じですね。いや、なんかめちゃくちゃ納得感あるキャリア論でした。副業での収入もかなり多いんじゃないかと思いますが・・・。

小林
小林

いえいえ、まあ副業でも稼げてますが、生活水準は本業のお給料に見合った生活をしてますよ。学生時代から住んでる横浜のマンションにずっと住んでますし。そこは勘違いしないようにしてます。

羽田
羽田

本当に冷静ですね・・・。今日はありがとうございました!

取材に同行した長澤の感想

長澤
長澤

「やりたいこと」より「出来ること」を重視し、自分に何が出来るのか探っていくということは今後のキャリアを考えていく上で重要なのだろうなとお話を伺っていて感じました。また、「意識が高いということではなく、楽をする為に真剣に考えている」というワードは本業をこなしながら副業をなさっている小林さんだからこその考え方だなと強く感じました。

「考えたほうが楽。楽をしたいのなら、どうしたら楽できるか考えるべき」とおっしゃられていた言葉も刺さりました。私もそうですが、なんとなく学生の間では「大手に行けば人生安泰だし、勝ち組だ」と思っている人が多いと思います。目標が大手に入ることならそれはゴールだと思いますが、自己実現ややりがいを求めるのには辛い環境なのかなとインタビューしてて思いました。

「自分に何ができるのかを見極めて、 自分ができることに対して、 求めてる企業を探す方が圧倒的に楽」という考え方もマーケティング思考で自分というものをブランディングしていくという価値観が現れているなと感じました。

社会に出ると理不尽なことばかりで自分というものを押し殺して働いている人多い中で、ブレずに自分を貫き通していているのは本当にすごいなと思いました。自分に何ができて何ができないのかをしっかり言語化していけるようにこれから動いて行きたいなと思います。

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