プレゼンや自己紹介がうまくなる!PREP法を解説!

「話が分かりにくい!」「結局何が言いたかったんだろう?」そう思ったことや言われたことはありませんか?しかし、実際にどうすれば要点を明確にした、伝わりやすいコミュニケーションができるのか、よく分からない人も多いのではないでしょうか。

「伝わりやすさ」は、プライベートの対人関係だけでなく、就職活動や仕事、ネットワーキングにおいて、相手からの印象や効果的な交渉の場面で必須です。この記事では、「伝わりやすい」コミュニケーション能力を向上させる一つの方法である、PREP法について説明します。
PREP法を習得して、自己PRやプレゼンの質を高めましょう!

PREP法とは?

PREP法について知ろう!

  • Point(結論・要点)
  • Reason(理由・根拠)
  • Example(具体例)
  • Point(結論・要点)

PREP法とは、Point(結論・要点)Reason(理由・根拠)Example(具体例)Point(結論・要点)の頭文字から成る略語です。結論を最初と最後に繰り返すPREP法によって、相手に最も重要な情報を伝えることができます。

もともとは、分かりやすい英語のライティング方法として普及しました。しかし、最近では、日本語を含めた他の言語でもPREP法の伝わりやすさには定評があります。また、ライティングだけでなく口頭でも利用されています。

PREP法を用いた例

では、実際にPREP法を用いた文章とはどのようなものなのでしょうか。学校の授業の改善提案の例を使って見ていきましょう。

  1. Point(結論・要点)
    • 「学校の授業は、従来のレクチャー方式だけでは効果的ではありません。」
  2. Reason(理由・根拠)
    • 「様々な特性を持つ生徒がいるのに、先生から一方的に学ぶ方法は、受け身な姿勢の生徒のみにとって最適だからです。」
  3. Example(具体例)
    • 「例えば、グループワークなどを通して、生徒が能動的に学ぶ、アクティブラーニングという方法が効果的です。」
  4. Point(結論・要点)
    • 「このように、学校で多様な教育法を取り入れることで、従来の方法ではサポートしきれない生徒にとっても効果的な授業を行うことができます。」

結論→理由→具体例→結論の流れで論じることで、有用性と説得力のある構成になったのではないでしょうか。

PREP法についての理解が深まり、認識できるようになったところで、PREP法にはどのような効果が見込めるか見ていきましょう。

PREP法のメリットは?

2つのPで要点を伝える

先述した通り、PREP法はPoint(結論・要点)を繰り返します。最初と最後に要点を述べることで、初頭効果親近効果最初と最後は記憶に残りやすいという心理効果)により、要点が相手の頭に残りやすくなります。コミュニケーションを取る時、要点が最も伝えたい点であることを考えれば、PREP法が「分かりやすさ」に効果的であることは明らかです。

RとEで説得力を持たせる

プロフェッショナルな場で、相手に伝えたいことがある時、鍵となるのは、論理的思考実用性・現実性です。

PREP法に則り、Point(結論・要点)を述べた直後に、そのReason(理由・根拠)を提示すると、主張に論理性を持たせることができます。また、相手と共通の認識を持っていることを確認する効果もあるでしょう。続いて、Example(具体例)を通して、主張が実現可能であり、具体例に基づいている事実であることを相手に伝えることができます。

実際、先ほどの例でいえば、Point(結論・要点)の「学校の授業は、従来のレクチャー方式だけでは効果的ではありません。」のみでは、なぜ効果的ではないのか(Reason(理由・根拠):問題発見)や、実際にどうすれば解決できるのか(Example(具体例):問題解決)が明確ではなく、人任せに聞こえます。自己PRやプレゼンでは、自分が能動的に問題発見や解決を行おうとしていたり、思考や提案をしていたりする姿勢を見せることが大切ですから、Reason(理由・根拠)とExample(具体例)の組み合わせは欠かせないといえます。

簡単・簡潔に伝える

PREP法の最大の利点は、主張を四つの型に沿って構成しやすいことです。伝える側も、やり方さえ理解できれば、様々な場面で簡単にPREP法を利用することができます。また、読者側も簡潔に要点が分かるので、短時間で理解しやすくなります。コミュニケーションを行っている両者にとって、時間短縮による効率性の向上が期待できます。

DESC法やSDS法との違い

これまで、PREP法の良さについて紹介してきましたが、PREP法はどんな場合にも最適解であるとは限りません。
DESC法SDS法と呼ばれるPREP法以外のフレームワークも合わせて理解を深めましょう。

DESC法とは?

DESC法はDescribe(描写する)Express(表現・説明する)Suggest(提案する)Choose(選択する)の頭文字を取ったコミュニケーション方法です。事実を伝え(Describe)、それに対する自分の感情・考えを述べ(Express)、折衷案・代替案を提示し(Suggest)、相手の出方によって導かれる結果を選択します(Choose)。

DESC法は、PREP法と比べて、相手と伝える側の交流を前提にした方法です。特に、Express(表現・説明する)では自分が事実に対し、どのような反応を取っているかを伝えることで、自分の視点を相手に理解してもらおうとしています。また、Choose(選択する)においても、相手の反応によって、結論に柔軟性を持たせていることが分かります。つまり、「相互理解」を図り、相手を能動的に「説得する」要素がPREP法よりも強いといえます。PREP法が、実用性・シンプルさのある一方通行の情報伝達を得意としているのに対し、DESC法は相手との関係性や交渉、妥協点を見つけることを重視しているのです。

SDS法とは?

SDS法は、Summary(要点・要約)Details(詳細)Summary(要点・要約)を用いたコミュニケーション方法です。PREP法と同じように、まずは要点を述べ(Summary)、それについて詳しく説明し(Details)、もう一度要点を確認します(Summary)。

SDS法は、要点を最初と最後に二度述べるという意味で、PREP法と同様、伝わりやすいといえます。一方で、理由や具体例など、論理性・実用性を高める要素はなく、詳細に重点を置いているため、相手に短時間で受け取ってほしい情報量が多い場合(報告など)に有効です。

PREP法を有効な場面で使おう!

DESC法やSDS法と比較し、PREP法は、企画のプレゼンや、自己紹介など、一方通行の情報発信に向いていることや、相手の理解を深めたいときに使うと効果があることが分かりました。一方で、相互的な対話ではDESC法短時間で多量の情報を伝えたいときはSDS法が適していることも明確になったと思います。

加えて、PREP法は、感情を重視するスピーチや、長文、説明書などには向きません。相手の関与度合や、コミュニケーションの目的を念頭に置いて、PREP法が有効かどうかを判断していく必要があるでしょう。

PREP法を練習しよう!

PREP法は、他のコミュニケーション能力と同様、一朝一夕に身につくものではありません。瞬時に使えるようにするには、練習と実践を繰り返すことから始める必要があります。

まずは、友達や家族と自分の考えについて話す時に、PREP法を使ってみてはいかがでしょうか。要点を明確にし、論理的に会話を進めることで、説得力の高い話し方が自然と身につきます。同時に、自分の中でも、なぜそう考えるのか、どうすれば現状を改善できるか、など内省的な姿勢が生まれるでしょう。

PREP法は、仕事においても、プライベートにおいても、自己表現をしながら、円滑なコミュニケーションを行うことに必ず役立つはずです。

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