10月が近づいている中で、大学3年生は就活の本格化、大学4年生は内定式や懇親会などの予定が入り始めているのではないでしょうか。もしかしたら、そろそろ就活を始めようとしている大学2年生もいるかもしれません。
今回は、夏休み企画として、4名の新入社員の方にお時間をいただき、「会社選びで重視すべきだったポイント」というテーマでお話を伺いました。
前編の「大学生に戻れるならやりたいこと」はこちらから!
【前編】入社1年目に聞いてみた!大学生に戻れるならやりたいこと私は4年生なので、社会人の一歩手前。とても気になる内容です!
就活中の3年生にとっても就職を控えた4年生にとっても役立つ内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。
ケース① IT業界のMNさん
まずは、IT業界でシステムエンジニアとして働くMNさんにお話を伺いました。
MNさん
業界:IT
業種:システムエンジニア
出身:九州
学生時代の専攻:心理学
学生時代のバイト:居酒屋・スーパーの惣菜部門
趣味:YouTube鑑賞
就活で検討していた業界:決めていない
業務内容
病院向けのシステムの提案と構築を担当しています。電子カルテや医療事務のシステムを扱うことが多いです。
職種は何になるのでしょうか。
システムエンジニアです。ただ、私の会社だと開発はせず、既に販売されているパッケージの接続を担当することが多いです。たまにカスタマイズでコーディングをすることがあります。
そうなのですね。実際に病院でお仕事されることが多いのでしょうか。
はい。システム本稼働が近づくと実際に病院や診療所に行くことが多くなります。現地では、連携テストなどを行います。
会社選びで重視したポイント
本音と建前の2つがあるのですが…
どっちも聞きたいです。とくに本音!
本音としては、福岡に住んでいたので、勤務地と本社所在地が福岡か東京であることや新規の営業ではないところを中心に考えていました。あとは初任給20万円以上・社宅か住宅手当の支給・通勤手当の支給・固定残業制が導入されていないことなどはチェックしていました。
ありがとうございます。ちなみに、どうして新規系の営業を避けていたんですか?
製薬会社の説明会を聞いているときに、1件1件のお宅を訪問するのが、自分には合っていないと思ったからです。
確かに、お宅訪問は合う・合わないがありそうですね。では、建前についても聞きたいです。
建前として、お客様と向き合い、社員が成長できる環境で働きたいと伝えていました。また、業界を絞っていないのは本音なのですが、面接で伝えていました。
重視すべきだったポイント
給料です。入社前になんとなくは知っていたけれど、やっぱり入ってからは少ないなと思います。口コミで退職する人の理由を見ても、「任されている業務内容に対して給料が少ない」と書いてあったので。
やっぱり給料は大切なんですね。
ただ、入社したときに、物価上昇に向けて会社からインフレ手当が支給されるなどの支援はありました。また、人数は100人規模と多い方ではないですが、今のところ残業はせず、ホワイトな環境で過ごせています。
就活中にどういう行動をしたら満足できる会社を見つけられると思うか
まずは母数を増やすために、会社をたくさん調べるべきだと思います。私は入社した際に、人事の方から「なかなか就活生に見つけてもらえないんだよね」と言われました。
どうやって調べていたんですか?
就活サイトのキーワード検索で、勤務地などを入力して調べるのがおすすめです。私だったら、「東京」「福岡」とか。
あとは、自分の中で違和感のない会社なんてないと割り切ることも大切です。説明に参加したときは、担当者の方が淡々とした雰囲気だったので、すごく良い印象だったという訳ではありませんでした。でも選考のときにお話しした面接官の方々がとても素敵だったんです。ポジティブ・ネガティブなポイントをそれぞれ比較して、自分の中で折り合いをつけるスタンスでいた方が良いと思います。
ケース② メディア業界のOMさん
続いて、メディア業界でアシスタントディレクターとして働くOMさんです。
OMさん
業界:テレビ
業種:アシスタントディレクター
出身:関東
学生時代の専攻:心理学
学生時代のバイト:パン屋の製造補助・グループホームでの障害者支援・塾講師
趣味:映画・読書・散歩・お笑い
就活で検討していた業界:決めていない
業務内容
ディレクターの補助をしています。内容は、ロケに行ったり調べ物をしたりとさまざまです。
確かにアシスタントディレクターってなんでもやってそうなイメージですね。自分で企画を書いたりはしないんですか。
そうですね。仕事が休みの日に自分で取材をして企画書を書くこともあります。業界の特徴として仕事とプライベートの線引きがあまりされていないので、熱意がないと厳しい仕事だと実感しています。
会社選びで重視したポイント
その会社がどんな番組や映画を作っているかは見ておくべきです。快適な環境で働いてお金をもらうというよりは、やりたいことを勉強するにはどの会社が良いかという観点が欠かせないと思います。
お話を伺っていると、主体性が求められる環境というイメージがあります…!
そうですね。実は私、当初は専門学校で学んでから就職しようと思っていたんです。でも、それを先輩に相談したら、「現場で学んだ方が、お金を稼げるしコミュニティも入れるから良い」と言われて。なので、テレビ業界を目指す人は、作りたいものを実現するために勉強するんだという覚悟を持って、会社を選ぶべきだと思います。
重視すべきだったポイント
思ったよりもパワハラな環境ではなかったです。
そうなんですね!
もちろん、どのディレクターにつくかにもよりますが。私のディレクターは、縦の関係を作りたくない考えなので、フランクな関係が築けています。寝れない・帰れないなどの環境でもないので、割とホワイトに働けているなと思いました。
就活中にどういう行動をしたら満足できる会社を見つけられると思うか
テレビ業界を目指すなら、計画性よりマインドが大切だと個人的には思います。私はドキュメンタリーを作りたいという思いがあり、給料や福利厚生などは見ずに入社しましたが、とくに後悔はしていません。熱意があるなら、チャレンジしてみても良いんじゃないかなと思います。
ケース③ IT業界のKHさん
最後に、IT業界でシステムエンジニアとして働くKHさんです。
KHさん
業界:IT
業種:システムエンジニア
出身:関東
学生時代の専攻:社会学
学生時代のバイト:大学生協の購買
趣味:ファッション
就活で検討していた業界:IT
業務内容
まだ研修中なので、具体的な業務内容は分かりません。ただ、職種がシステムエンジニアなので、開発やメンテナンスなどを担当すると思います。
会社選びで重視したポイント
グループ会社であることは、建前として面接で話していました。
グループ会社であることが建前なんですね。
はい。ネームバリューによる信頼の大きさと独自の技術力の高さを併せ持っているというのは、グループ会社だからこそのメリットだと思っていました。
本音は何でしょうか。
基本給・福利厚生・平均勤続年数です。私の場合、福利厚生として生理休暇があったり、会社で地方に別荘を持っていたりする点は魅力的だと感じていました。
重視すべきだったポイント
立地だと思います。本社の場所というよりも、どこで何年働くことになるのか、事前に分かるなら知っておくべきなのかなと。
確かに!あまりにも家から遠かったり、異動が多かったりすると、精神的にしんどいですよね。
就活中にどういう行動をしたら満足できる会社を見つけられると思うか
人事部以外の人の話を聞くべきだと思います。人事部は現場を知りませんし、お世話になるのは入社してから少しの間だけなので。人事部以外の人なら現場の空気をリアルに伝えてくれるので、入社後にギャップを感じるリスクを減らせると思います。
人事部以外!盲点でした。
あとは早く就活を始められると安心ですよね。数を打てば当たるので。みんなと同じように、忙しい時期に動き始めると、余裕がなくなってしまうのかなと思います。
ケース④ 介護業界のHEさん
続いて、介護業界で生活支援員として働くHEさんから話を伺いました。
HEさん
業界:介護
業種:生活支援員
出身:九州
学生時代の専攻:文学
学生時代のバイト:回転寿司のホールスタッフ
趣味:ゲーム・コラージュ
就活で検討していた業界:決めていない
業務内容
障害者の生活介護(入浴、食事、排泄、レクリエーションのサポートなど)を行っています。また、研修用の報告書作成や利用者さんの1日の様子のまとめなども行います。
生活のサポートをされているんですね。事務作業よりも身体を動かすことの方が多いのでしょうか。
そうですね。長く働いている方が、事務的な管理をしていることが多いです。
会社選びで重視したポイント
就職活動を始めたのが大学3年の春休みからでしたので、事前に業界を調べてはいませんでした。一方で、地元で働けること・給料・年間休日日数は確認していました。
給料や年間休日日数はどれくらいを目安にしていましたか。
給料については、地元の市役所が月給18万円なので、それを下回らないように探していました。また、完全週休2日でなくても、月に8日以上休みがあるかは調べました。
重視すべきだったポイント
福利厚生だと思います。どんなに給料が良くても、休みが少なかったり勤務時間が長かったりすると、やる気やモチベーションが下がってしまうのかなと。
そうなのですね。
私の職場には夜勤があるのですが、夜勤明けは休日としてカウントされるので、想定より休みが少ないように感じてしまいます。
就活中にどういう行動をしたら満足できる会社を見つけられると思うか
3年生の段階で、興味のある企業の説明会やインターンに行くべきだと思います。私は3年の3月に周りが就活をしていることに気づいて焦り始めたので。また、一緒にいることが多い友達が就活をしていなくても、就活サービスなどを目にして気持ちが追い込まれることがあったので、早く始めておいて損はないと思います。
まとめ
今回は、入社1年目の方々に会社選びで重視すべきだったポイントなどを聞きました。給与・福利厚生・立地などは確認しているようで、入社してからギャップに感じてしまうこともあるのかもしれません。また、入社前から入社後に何をしたいかを考えて、逆算して行動することも大切なのですね。
ぜひこの記事を参考に、入社後に後悔しない会社選びを行ってみてください。