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最終面接で「リーダーになりたくない」と伝えた私の就活体験記

こんにちは。学生ライターのせりです。大学4年生で、卒業後は外資系のIT企業に入社予定です。

今回は、「就活にリーダーシップは必要なのか」というテーマで、私の就活体験談も交えながらお話しできたらなと思います。

ちなみに私はリーダーシップが取れるタイプではないです。リーダー適性は皆無だと自負しています。

私がファシリテーターをやったグループディスカッションで議論が収束したものはありません。メンバーからすれば大迷惑な話ですが。過去を振り返っても、リーダーとして活躍した誇れる経験もないです。

しかし就活中はリーダーシップを発揮した経験を話さねばと頭を抱え続けていました。それは「就活ではリーダー経験をアピールするのが大事」という誰かの言葉を盲信していたこともありますし、周りの就活生がリーダーシップ強者すぎて焦燥に駆られていたこともあります。

それでもないものはないので、それっぽいエピソードを自信なさげに話す日々でした。

そんな私ですが、内々定を頂いた企業の最終面接を通して、リーダーシップのない自分に対する向き合い方が大きく変わりました。

あくまで私の体験談ですが、リーダーシップがないことに悩んでいる就活生の参考になればと思ったため、ゆるっと語らせて頂きます。

ありのままの自分を伝えることができた最終面接

私が内々定先の最終面接を受けたのは3年生の3月。他の就活生と比べると、少し早い方かもしれません。

従業員15,000人以上・業界内外でのネームバリューも強めな、いわゆる大手企業。憧れはあったものの、自分が最終面接に呼ばれるとは思っていなかったため、前日はほとんど眠れませんでした。

面接はオンラインで私服参加。これまでの人生でもトップ3に入るくらい緊張する…かと思いきや、2人の面接官が思った以上にウェルカムムードだったので、リラックスしてお話しすることができました。

志望動機や入社してからやりたいことといった就活での定番の質問より、自分の経験について詳しく聞かれました。少し意外だなと思いつつ、高校時代の部活の話や大学1年生の頃から取り組んでいる空手教室でのアルバイトの話をしました。

1時間近くの面接でしたが、雰囲気が終始和やかだったからでしょうか。もはやご近所さんと話すくらいのテンションになっていた私は、将来どうなりたいかという質問に対して何の考えもなしに本音を口にしてしまいます。

「私、あんまりリーダーになりたいと思わなくて」

やばいと焦りましたがもう手遅れ。驚いた顔をしている面接官の方々と目が合いました。同時に、自分が今、仲の良いご近所さんと話しているのではなく、自分には手の届かないと思っていた企業の最終面接を受けているところだったのだと思い出しました。

「自分の強みは、観察力を生かした行動力だと思っています。なので、組織のリーダーよりも、縁の下の力持ち的な存在を目指したいです」

何か言葉を続けなくてはと思い、エントリーシートに書いていた内容をそのまま伝えました。手の汗が止まらず、表情は硬直。今思えば、そんなに慌てる必要もなかったのかもしれませんが、当時は頭が真っ白になる寸前でした。

私の焦る様子は、オンラインでもしっかり伝わっていたと思います。

やらかしたと絶望していましたが、面接官の方々の反応は想定外のものでした。

「うちの会社にはリーダーになりたいと思っている人が多い一方で、サポート役に徹することができる人は少ない。だからこそ、あなたのような人がいてくれると嬉しい」

最終面接の1週間後に、内々定の連絡を頂きました。連絡を待っている間はそわそわして落ち着かなかったのですが、報告を聞いた瞬間は飛び上がって喜びました。

そしてそれ以上に、自分の短所を肯定的に捉えてくれた内々定先に対し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

内々定を取って思うこと

就活は終わりましたが、人前に立つことは今でも大の苦手です。面接でも伝えた通り、私は周囲の状況を観察し、自分がどう立ち回るべきなのかじっくり考えて行動するタイプなんです。なので、リーダーシップを武器にするのは賢い戦略ではないでしょう。

就活中は、たくさんのリーダーシップ強者に出会いました。

「数百人規模のサークルの代表をやっていました」
「インターンで自分より年上の社員のマネジメントも担当していました」
「留学中に交流イベントを主催して、数十人の集客に成功しました」
などなど。

唯一無二の経験を持つ彼らと自分を比較して、自己嫌悪に陥ることもたくさんありました。彼らに負けじと即席のエピソードを泳いだ目で話すこともありましたが、説得力は皆無でした。

なので今回の最終面接では、こじつけのリーダー経験を丸暗記して話さなかった分、これまで胸の奥で感じていたモヤモヤ感からは解放されました。

何より、リーダーシップに自信のない自分を肯定してもらえたことで、リーダーに向いていない自分を許すきっかけにもなったと実感しています。

もちろん、入社後は「リーダーシップがないので嫌です」と言い続けるわけにはいかないと思います。チームで動いたり後輩ができたりすると、リーダーシップが求められる場面はきっとあるでしょう。

私もまだまだアップデートが必要です。しかし、就活を経て自分の短所を許せるようになったのは、良かったなと思っています。

リーダー経験は必要なのか?

誇れることではないですが、今でもリーダーシップには自信がないです。アルバイトでは上のポジションにいますが、人をまとめるのが苦手だと痛感しています。授業のグループワークも、私がファシリテーターをやって議論がスムーズに進むことは滅多にないです。

ただ、継続できなくても、無責任だと思われても、リーダー経験は積んでおいてよかったなと思っています。なぜなら、向いてないことを理解して、どうリカバーすれば良いのか考えられるようになったから。

私が大切にしている言葉の1つに、「成功したいなら最速で失敗しなければならない」があります。

子どもの頃、自転車にうまく乗ることができず何度も転んだと思います。私は6年近く空手をやっているのですが、綺麗な型や負けない組手ができるようになるためには、失敗を繰り返して改善する必要があると感じています。

少し話がずれてしまいましたが。リーダーに向いていないからといって、リーダー経験を積むチャンスから逃げてしまうのはもったいないと思います。

失敗を繰り返すことで、「じゃあ自分にはどういうポジションが向いているのだろう?」と別の視点から考えることができるようになるはずです。

だからこそ、もしこの記事を読んでいる人で「絶対向いてないからリーダーなんてやりたくない」と思っている人は、少しだけ勇気を出してリーダーに挑戦してみて欲しいです。

授業中のグループワークやアルバイトのチームリーダーなど、規模は問いません。「ちょっと頑張ればできそう…!」と思ったらどんどんチャレンジして欲しいです。

むしろ、リーダーシップに自信がないのに、でっちあげでそれっぽいエピソードを話してしまうのはリスキーだと思います。嘘はいずれバレますし、就活はゴールでなく、キャリアのスタートラインに過ぎないのですから。

最後に

周りの就活生のリーダー経験に圧倒されそうになっても、自分らしく胸を張って望んで欲しいです。リーダーだけでは組織を動かすことはできません。あなただからこそ埋められるポジションは必ずあるはずです。

これから就活を進める皆さんが、周りと比べるのではなく、自分の本音に向き合って就活を進められることを願っています。