こんにちは、街角キャリアラボの羽田です。
僕は主催する就活ラボや担当する大学の就活講座で多くの学生のESを添削しています。大量のESを読んでいて、ある程度注意した方がいいポイントは体系化できるんじゃないかなあと思ったので記事にまとめてみました。
自己分析はした上で自分の言語化ができていることが前提にはなりますが、ここで書かれているポイントをしっかり押さえていればESの通過率は上がるはず。是非チェックしてみてください。
【24卒就活】ワークシート無料DL!自己分析の目的と具体的な方法
エントリーシートというシチュエーションの確認
まずはエントリーシートというシチュエーションがどのような機会なのかを把握しておきましょう。「当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、大切なことです。意外と意識できてないはず。
企業は学生のことを知らない
当たり前ですが企業はみなさんのことを知りません。友達や家族になら1言えば伝わることが企業には伝わらないのです。例えば「バイトがー」と語られても、企業はあなたが何のバイトをしていたか知らない。だからイメージができないのです。このことは意外と大切なので忘れないでください。
ES時点では様々な学生が大量にいる
ESは選考の一番最初に実施されることが多いため、ES時点では大量の学生が選考のテーブルに乗っています。あなたがたいして志望度高くない企業もとりあえずESを出すように、他の学生も出します。自分以外に大量の学生がいる中でESを読まれる、という状況を想像してみましょう。
ESを通過する学生は「面接に呼んでみようかな」と思える学生
たかがESだけでその学生の優劣なんて判別できるはずがありません。ESの後に面接などの選考が入り、そこで学生を詳しく評価するのです。
で、面接というのは呼べる人間に上限があります。その面接に呼ぶための審査がES、言ってしまえば予選みたいなものです。人物像がイメージできない人物をわざわざ数に限りがある面接に呼ぼうとは思わないので、就活テンプレみたいなものに囚われていると大量生産される無個性なESになって埋もれてしまいます。
自己PR&ガクチカ編
さて、ではESで書く内容について注意してほしいポイントをお知らせします。
まずは自己PRとガクチカについて。志望動機は聞かない会社はありますが、自己PRや学生時代にやってきたことはおそらく全ての会社が聞きます。それだけ就活では重要な要素なのです。
PRしたいことの証明としてガクチカがある
「私は最後までやり抜きます」とか言われてもそれを証明するエピソードがないと企業には伝わりません。企業はあなたのことを知らないし、大量の学生が同じようなことを言うからです。最後までやり抜いた、なら最後までやり抜いた話を添えてください。ガクチカは、あなたの自己PRを証明するためにある、と思ってください。
エピソードからPR内容が伝わってこない
「エピソードを書け」と就活マニュアルで言われたからといって盲目的にエビソードだけ書いていても企業からすると「・・・で?」となります。留学やボランティアなど、就活的に「派手っぽく見える」エピソードを持ってる学生はとにかくそのことを書きたがります。でもそこから伝わるものがなければ意味はないです。エピソードを通して何を伝えたいのか。
「私これやりました!」だけにならないように、エピソードと自己PRはセットで書きましょう。
PRしたいこととエピソードが合っていない
これは結構あるんですよね。「私の強みは〇〇です」から文章がはじまり、その後エピソードが続く、という構成はいいんですが、そこで語られているエピソードの話と強みが合っていない。
例えば「私の強みはリーダーシップ」と言いつつ、その後語られている話がサークルやバイトの諸問題を解決したアイデアの話だったりする。これだとその人がアピールしてるのが「アイデア力」になってしまう。なんらかのリーダーシップを発揮した上で「こういうアイデアで解決した」ならわかるんですが、話の力点がアイデアに置かれてしまっているのです。
特に解決策となったアイデアを披露してるだけ、みたいな話は結構多いので、改めて「自分が何をPRしたいのか」を見つめ直してみてください。
抽象的な言葉が多い
よく「具体的に書け」と言われると思うのですが、それはなんでかというと、具体的に書かないと文字面からあなたのことがイメージできないから、です。
で、よくあるのが「多くのことに挑戦してきました」「たくさんの人と出会いました」など抽象的な表現。「多くのこと」ってどれくらい?「たくさんの人」ってどれくらい?それが3人なのか50人なのかによって全然印象は違いますよね。
あなたのことを何も知らない企業があなたのことをイメージできるように、具体的に書きましょう。
どれだけ大変なことなのかを書かないと凄さが伝わらない
「最後までやり抜きます」とか「何かを乗り越えた」的な話の時に、その乗り越えた山がいかに大変なものかをちゃんと伝えるようにしましょう。じゃないとわかんないです。
「全国大会優勝」みたいなわかりやすいものだったらそれだけで通じますが、そうじゃない場合はわからないので、いやらしくない程度に説明を加えたほうが伝わり度は上がります。
志望動機編
続けて志望動機について。学生にとってはもっとも難しい領域かもしれません。自己PRやガクチカは自分のことなので、自己分析さえしっかりしていればある程度書けるものの、志望動機は企業のことだからよくわからないのです。
コメンテーターになるな
企業評論になってる志望動機はとても多い。僕はこれをコメンテーター志望動機と呼んでいます。その会社について一生懸命調べて、「ほら、私勉強してますよ!!」と言わんばかりに知ってることを語り出す。
でもそれって、ネットで調べたことだから他の学生も知ってるし、何ならその会社の人は絶対学生より詳しいですよね。それを堂々と披露されても・・・と、思いませんか?
例えば、志望動機200文字のうち180文字くらいがコメンテーターで、最後の一文に「私の強みを活かし、御社の発展に貢献したい」みたいな終わり方をしている志望動機はメチャクチャ多いです。コメンテーター志望動機はES不合格になる原因になりやすいので注意してください。
一般論語っても仕方ない
上記コメンテーターと同じような感じですが、一般論を語る学生も多いです。例えば「これからの社会はDXによって多くの変化がもたらされ・・・」的な。もちろん、多少こうした記述が入るのは問題ないのですが、まるで評論家のように制限文字数いっぱいまでたっぷりと語ってるケースも結構あります。
企業は、別にあなたの評論を読みたいわけじゃなくてあなたのことを知りたいんです。
自分のことを書きましょう。
会社がやってることと社員がやってることは違う
これは企業研究が浅い人に起こりがちなのですが、志望動機を語る際、会社全体がやっている事業への憧ればかり言う人が多いです。
例えば、エンタメ業界に対して「多くの人に感動を届けたい」的な。勿論それはそれでいいんですけど、「多くの人に感動を届けるのは会社全体がやっていること」であることを忘れないでください。
その中で自分が何がしたいのか。例えば法人営業だったら協賛企業を募ってくることが仕事であって多くの人に感動は届けていません。ただ、彼らが契約してきたお金で会社が成り立ち、結果的に多くの人に感動が届くのです。
このように、会社というのは様々なポジションの人がそれぞれの役割を果たすことで機能しています。志望動機を書く際、会社に憧れている理由を書くのもいいですが、その中で何の仕事がしたいのかを自分の特性と合わせて書いてみてください。
つまり、職種の話を志望動機に加えて欲しいのです。通過率が違うはずです。
「私の強みを活かして」がふわっとしすぎ
コメンテーターや一般論志望動機にありがちなのですが、文章の最後を「私の強みを活かして〜」で締める際、どうあなたの強みが活きるのかが全くイメージできない志望動機は多いです。なんでかというと、前段にあった「やりたい仕事」が書かれておらず、会社全体がやってる事業のことしか志望動機に書かれていないから。
例えば、前述したエンタメ業界の「多くの人に感動を届けたい」と「私の最後までやり抜く力」。この二つって、繋げようと思ってもなかなか繋げづらいはずです。最後までやり抜いて感動を届けるんですかね・・・?
でも職種とつなげるならやりやすいはず。エンタメ業界の法人営業だったら「商談時にお客様から相手されていなくても諦めずに交渉する」とか繋げやすいですよね。
その他、注意して欲しいこと
最後に、そのほかに注意してほしいことをお知らせします。
文体はどっちでもいい
である調ですます調どっちがいいですか、と学生からよく質問されますが、どっちでもいいです。ただ、どちらかに統一してください。
日本語がおかしいESは結構ある
書いたESをご自身で読み直していただければ結構防げると思うのですが、日本語が崩壊しているESって意外と多いんです。
文章としておかしい、わかりづらい、時系列がぐちゃぐちゃ、など。あと、主語がない文章も結構多いです。文脈の中で判別できればいいですが主語がないことによってそれがなんのことなのかわからない、という文章は多いので注意してください。
誤字脱字は100%防げる
上記日本語おかしいESにも繋がりますが、誤字脱字、みなさんチェックしてますか。誤字脱字があると落ちるってわけじゃありませんが、誤字脱字があまりに多いとアホっぽく見えますよね。企業は、頭が悪そうな学生をわざわざ通すはずないです。
誤字脱字はチェックすれば100%防げるので、かならずチェックしましょう。
句読点が多い or 少ない
人それぞれ口癖があるように、文章にも癖があります。そして句読点についても人によって個性がでます。単語ごとに区切ってるんじゃねえか、というほど句読点が多い人。逆に句読点を許さずに一文がとにかく長い人。自分で読み返して読みづらかったらそれは校正しがいがありますね。かならずちゃんと読み返しましょう。
おすすめのポイントは小声でもいいから声に出して読んでみること。目で追ってるだけだと意外と自分の文章のおかしさは気づきません。声に出すことで発見しやすいので、ぜひやってみてください。
いかがでしたでしょうか。ES提出前に、一度この記事の各項目とご自身が書いたESを照らし合わせてみてください。これらがクリアされていれば、あなたのESはそれなりに通過率が上がるはずです。
繰り返しますが、自己分析を通してご自身の言語化がしっかりできているで、です。文章テクニックだけ上げても成果はでません。
まずは自分の言語化。そこから始めましょう。