こんにちは!皆さんは大学編入をご存知でしょうか。
実際に大学編入を検討していて興味はあるものの、「大学編入ってなに?」「どうすれば編入できるの?」と疑問に感じている方がいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、大学編入と編入制度のある大学、大学を編入して成功した人について、周辺知識を交えながら紹介していきます。
大学編入とは?
キャリアアップや進路の変更を志す学生や社会人が、出身校から希望する四年制大学へ、年次の途中で入学する制度のことです。
〈編入の特徴〉
- 在籍していた学校で取得した単位が編入先の大学で認められる
中には単位として認められない科目もあります。 - 募集定員や学科が年度によって変動することが珍しくない
自分の進学したい大学・学部が編入生を募集していないケースがあります。
〈編入の種類〉
編入には、2年次編入と3年次編入、4年次編入があり、3年次編入をする人が1番多いです。ただし、短大・高専は卒業していることが編入の条件になります。専門学校から大学に編入するためには、下記の2つの条件を満たす必要があります。
- 修業年限が2年以上である
- 総授業時間数が1700時間以上の要件を満たす課程を修了している
大学への編入には、様々なルートが考えられます。
① 編入学 四年制大学⇒他の四年制大学
短大(2年)⇒大学
高専(5年)⇒大学
専門学校(2年)⇒大学
② 学士編入学(学士を持っている必要がある)
大卒社会人⇒大学
近年、四年制大学在学者の受験者が増加傾向にある一方で、以前は多かった短大生の受験者が減少傾向にあります。このように、20~30年前までは大学編入する層の大半が短大生でした。しかし、現在では四年制大学在学生が受験者の多くを占めています。その理由として、短大進学者が減ったことが背景にあると考えられます。
〈メリット〉
- 一般入試よりも試験科目が少ない
英語・専門科目・小論文の3つが試験科目になるため、共通テストのように5科目勉強する必要はありません。よって、的を絞った試験対策ができます。 - 国公立大学を含む複数の大学を併願受験できる
一般入試であると入試日程が集中していますが、編入学試験であれば試験日が分散しているため併願できます。 - 浪人をして一般入試を受けるよりも大学を早く卒業できる
編入先の大学で順当に卒業単位を取得できれば、1年早く社会に出られます
〈デメリット〉
- 志望する大学が編入生を募集していないと、そもそも受験すらできない
希望する学校にこだわるのであれば、一般入試を視野に入れてもよいと思います。 - 3年次編入は時間にゆとりがない
就職活動と編入のタイミングが被って慌ただしくなります。 - 出身校で取得した単位が編入先の大学で認定されない場合がある
せっかく取得した単位が無駄になってしまいます。
大学編入するには?
次に、編入学試験を受験する方法と手順をご紹介させていただきます。
1.自分が受験資格を満たしているかチェックする。
受験資格として、「在学中の学校で一定以上の単位を取得していることが条件」
となります。多くの場合、2年次編入は30単位程度・3年次編入は60単位程度の単位取得が求められます。
2.入試時期を把握する。
大学・学部によって様々ですが、大半の学校が12月までに編入学試験を実施します。以下では、4つの区分に分けておおよその入試時期をまとめてみました。
国立理系⇒6~9月がピーク
私立理系⇒6~3月 大学によってばらばら
国立文系⇒9月に始まり、10・11月がピーク
私立文系⇒9月に始まり、10・11月がピーク2・3月まで実施している学校もある
学校によっては年2~3回実施する大学もあります。
3.試験科目を勉強する。
編入学試験の内容は、以下の通りです。
① 語学(主に英語)
② 専門科目・小論文
③ 志望理由書・面接
これらが入試科目の中心として課されることになります。
独学で勉強するのが不安であれば、編入学試験の対策をしている予備校に通い、切磋琢磨するのも一つの手です。編入学という同じ目標を目指す受験仲間がいれば、互いに高め合えることでしょう。そして、過去問を活用しましょう。編入学試験を合格するためには、過去の傾向を知り、対策を練る必要があります。しかし、過去問を公表している大学は全体の約50%ほどであり、志望する学校によって入手できないこともあるため注意しましょう。
4.編入学試験を受ける。
ただし、学校や学部によっては、募集していない年度もあるため、希望する大学のホームページを参照するなどして、募集要項をしっかり確認する必要があります。
よって、自ら積極的な情報収集をしていく必要があります。インターネット、ブログ(合格体験記)、大学のホームページ、大学の事務室、編入予備校など、インターネットに載っている情報だけがすべてではないため、大学に電話をかけたり、学校に足を運んだりして直接尋ねてみるのも最良の方法だと言えます。
編入制度のある大学紹介
以下では、国公立大学・私立大学べつに編入制度のある主要な大学をご紹介させていただきます。
〈国公立編〉
- 東京大学 法学部・文学部 学士編入学
→大卒でないと出願できないため注意が必要です。 - 北海道大学 教育学部 編入学
- 横浜国立大学 経済学部 編入学
- 東京都立大学 都市環境学部 学士編入学
- 大阪市立大学 法学部・文学部 編入学
- 福岡県立大学 人間社会学部 編入学
〈私立編〉
- 早稲田大学 基幹理工学部 短大・高専・学士が対象 (四大生は対象外)
- 明治大学 文学部・情報コミュニケーション学部 編入学
- 日本大学 芸術学部・歯学部 編入学
自分の行きたい大学や学部が、必ずしもその年に編入試験を実施するとは限りません。一部には、編入学試験による学生の受け入れを通年行っていない大学もあるため、注意しましょう。
例)一橋大学、慶応義塾大学
(出典) http://www.chuo-seminar.ac.jp/transfer/pdf/2021tr_test_sch02.pdf
編入して成功した人
以下では、実際に編入して成功した人の声をご紹介します。
S.Yさん 2年次編入学
編入先の大学⇒明治大学 情報コミュニケーション学部
受験勉強を始めたのは、他大学1年次の6月。
【1次試験】英語・小論文 【2次試験】プレゼンテーション・面接
編入の経緯:メディアに興味があったから。
その他にも、社会学や法学、ジェンダー論など幅広く学べる点に魅力を感じたため。
専門科目:社会学用語を自分なりにノートにまとめていました。
英語の勉強:単語の暗記や読解を重点的に行いました。
小論文対策:毎日新聞の社説を200字に要約して、編入予備校の先生に添削してもらっていました。これにより、文章力や構成力に磨きがかかりました。同時に、語彙力を養うことができました。
(出典) MEIJINOW
M.Rさん 3年次編入学
編入先の大学⇒東京工業大学 情報理工学院の情報工学系
受験勉強を始めたのは、東京工業高等専門学校(情報工学科)4年次の4月。
【1日目】数学・物理・化学の筆記試験 【2日目】英語の筆記試験と面接
編入の経緯:自分のやりたい研究や開発を存分に取り組める場が志望大学にあったから。
専門科目(数学・物理・化学)の勉強:市販の問題集や過去問を対策していました。
時にはYouTubeの解説動画を活用することもありました。
英語の勉強:併願校に必須であったTOIEC対策や英単語の暗記、長文読解を行いました。
(出典) mishilog
編入学試験の難易度は?
結論、簡単ではありません。しかし、過去の傾向を分析してきちんと対策を練れば、合格ラインは見えてきます。倍率も一般入試に比べればそこまで高くありません。
〈編入学試験の倍率〉
国公立大学 3.5倍前後
私立大学 2倍前後
全体 2.6倍前後
編入学試験は難しそう、意外と簡単そう、など色々なイメージを持たれているかと思います。実際、試験自体の難易度は一般入試よりも易しいレベルであると言われています。
しかし、あまり入試情報が出回っていなかったり、過去問の入手ができなかったりする場合もある点に難しさがあります。このように、編入学試験は一般入試よりも試験の難易度が比較的易しい代わりに、周辺の情報を収集するのが大変です。さらに面接では、進学したい学部・学科で学べる専門分野への本気度が問われます。以上の点において、編入学試験は一般入試と大きく異なります。
まとめ
今回は、大学編入についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。大学編入は情報があまり出回っておらず、自発的な情報収集が合格の鍵となることが分かりました。そのため、じっくりと志望校の傾向を分析してきちんと対策を練る必要があります。大学編入の難しさは、出身校での単位取得や卒業課題に励みつつ、受験勉強も並行して行わなければならない点にあると言えます。
また、合格できたは良いものの、編入してからの大学生活も単位取得に追われる日々が続いてしまうなど、大学編入には相当の覚悟が要ります。その上で、大学編入が自分に向いている進路であるか、本当に必要な選択かどうか、いま一度考えてみましょう。生半可な気持ちで勉強に取り組んでも、編入学試験を突破して合格を掴むのは難しいです。
編入に成功した人達はみな、口をそろえて「努力した」と言っています。
それが大学編入という形ではないにしても、自分の勉強したいことや将来の夢があるのならば、目標に向けて突き進んでいきましょう。