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【女子就活】結婚を前提にキャリアを考えないほうがいいと思う件

今日、女子就活生の相談を受けた。4年生で大手企業とベンチャー企業で内定もらっててどっちにしようか悩んでるらしい。

大手企業の方がなんとなくいいと思う気持ちはわかる

彼女いわく、社員の雰囲気とかは絶対ベンチャーのほうがいいと思ってるらしい。じゃあそっちにいけばいいのに、と言うと「でもなんとなく大手のほうがいいのかなとも思っちゃうんですよね・・・」と言う。彼女の周りの友人はみんな大手に内定をもらっていて、「大手のほうがすごい」みたいな感じが拭えないそうだ。

その気持ちは、とてもわかる。個人的には大手なんかよりベンチャーのほうが絶対いいぜってタイプだけど、社会経験のない学生からすると社名も聞いた事ないような会社より、有名な会社の方がなんとなくいいんじゃないかと思ってしまうのも無理はないと思う。

もちろんどっちがいいとか悪いとかってない。個人が何を大切にするかによって選択は変わってくる。大手だから安定してるとかもう幻想だし、ベンチャーだと成長できるとか社風がいいとかって言うのもない。社風がいい悪いじゃなくて、自分に合うか合わないか。他の人の意見とか視線なんて気にせず、自分の気持ちに正直になって自分の感覚だけを信じて決めてほしい。長い目で見たら、絶対その方が正解だぜ、と。

女性が働きやすい会社の定義って?

で、彼女が言った言葉でもう一つ印象的なのがこれ。

「私、結婚しても働き続けたいんですよね。仕事も子育ても両方手抜きせずに頑張りたくって。だから女性が働きやすい会社がいいなと。そうすると大手なんじゃないかと」

うん、まあその理屈はわかる。大手のほうが女性への制度は整っていそうだと思うよね。ただここでちゃんと考えないといけないのが「女性が働きやすい会社」の定義。産休や育休が制度として整っているのと、実際にその制度が使われているのとはまた別、と言う事。

制度はあっても使われていない、つまり会社全体にそうした雰囲気が醸成されていない、と言うのはよくある話です。

あと、産休育休制度とその活用率だけじゃ見えないのが「産休育休した上で活躍できるのか」と言う点。ここからは人によって仕事に求めているものが違うから一概にはくくれないけど、「育休復帰が多い」ということと「責任ある仕事が任せられて評価される」は全然別。「私にとって働きやすいって何を指すのか」をちゃんと考えて言語化しておいたほうがいい。

育休復帰後の仕事は時短勤務が多いと思う。時短勤務がちゃんと機能してるだけでも「女性が働きやすい」って言われると思うし、実際それでちゃんと働ける女性社員が増えているのはいい事だと思う。

ただじゃあ時短勤務でどこまで裁量権がある仕事を任せられるかと言うと話はまた別。だって、重大なトラブルが起きているのに早めに帰らないといけない、という社員に責任のある仕事を任せるのって、会社からすると結構しんどい。残酷なようだけど、会社の立場からすると厳しいのもわかってくれ、と。

この辺の溝が、女性のキャリアで難しい問題だと思う。女性を差別してるとかじゃなくて、会社の状況も致し方ない部分もあるからだ。

でもこれは会社の風土だけじゃなくって、ビジネスモデルの問題もあると思う。どういう仕組みのビジネスモデルかによって緊急&重要度って違うと思うし。ある業界にとってはリモートワークで全然OKな場合でも、ある業界によっては出社してその場にいないと成り立たない、という仕事もある。後者の場合、復帰後の育児と出社義務の両立をうまく取るために時短勤務がある。でもその代わり責任ある仕事には就けない、と。

だから「女性が働きやすい会社」と一言でくくるのは乱暴。だって「育休復帰後も組織に所属してちゃんと働いていたい」というのと「育休復帰後も昇進していきたい、大きなビジネスを動かしたい」は違うからだ。

ハードな職場なのに育休復帰後もバリバリ働いて出世してる人もいる

復帰後は出世できないのかと言うとそんなことはない。実際僕の知り合いで、一般的にハードと言われている出版業界で、育休後に復帰して女性誌のファッション誌の編集長をバリバリこなしている人がいる。

ただこれには本人の頑張りだけでなくパートナーの理解、職場の理解、そして周囲のサポートがないと成り立たないと思う。

「そこまでしないと出世できないのはおかしい」と女性が思ってしまうのも理解できるんだけど・・・。だから女性のキャリアは難しい。

結婚を前提に考えてしまう理由って?20代女性の未婚率が幾らか、知ってる?

とまあ、女性のライフイベントとキャリアって難しい関係にあるのだが、それとは別に就活女子学生に言っておきたい事がある。

それは結婚前提でキャリアを限定的に考えてしまう事だ。

どういうことかというと、「結婚生活のことを視野に入れて自分の仕事や雇用形態、ワークスタイルなどを限定するのは違うよ」という事。例えば「結婚した後は家事と仕事をある程度両立させたいから残業が少ない会社がいい。だから転勤がある総合職はやめて一般職にしよう」的な。

結婚願望は全然否定しないしそうした事を見越して将来を考えるのも悪い事じゃない。でもそれが理由で自分の可能性を制限しちゃう事ないんじゃないの、という。

これはひょっとしたら失礼な事を言ってしまうかもしれないが、こういう考え方をしてる割に今お付き合いしてる人はいない、という女子学生も多い。今付き合ってる彼氏がいてその人と結婚したくて彼の仕事は転勤がないから私も転勤がない仕事に就きたい、というならまだわかる。これは「計画」だと思う。

ところがまだ存在していない相手の為にあれやこれやと色々心配して備えるのって、どうなんだろうと思っちゃうのだ。その心配する前に、彼氏作った方がいいのでは、と思っちゃう(ほんとすいません)。

女性の未婚率は20代で60%だという。そして女性が結婚相手に求める年収は600万円だというが、20代の男性の平均年収は20代前半で330万、20代後半で393万円だ。

何が言いたいかというと、普通に考えて結婚できない可能性のほうが高いわけだし、結婚してもバリバリ女性も働かないと生活できないですよ、という事。

そして新卒の就活はポテンシャル採用だが、社会に出た後の転職活動は基本的にそれまでの実績やスキルが求められる。会社に入って成果を上げていかないとその後のキャリアが描きづらいのだ。

繰り返すが、現時点で結婚に現実味のある、さらに稼ぎのいい彼氏がいるならまだわかる。でも相手もいないのに「結婚したら〜」と考えてファーストキャリアの時点で自分の成長や活躍の可能性を制限しないほうがいい、という事だ。もし結婚できなかったらどうすんですか、と。20代で力つけておかないと、その後のキャリアが大変ですよ、と。

一応僕も女子大の正規課程の授業を4年間嘱託講師で担当していた事がある。政府系の女性活躍推進の有識者会議的なものに呼ばれたこともある。だからまあ、普通の男性よりは女性のキャリアについては詳しいつもりだ。

悩ましい問題だと思うけどね・・・。

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