ボランティア、NPO、NGOの違いは?大学生の課外活動について解説!

 「課外活動したいけど、何から始めれば良いか分からない。」「バイト以外に何をすれば就職活動に役立つの?」そんな疑問を持ったことはありませんか。就職活動に対するなんとなくのイメージはついていても、大学生活中にどのよう課外活動を行なっていれば、キャリア形成に有効であるかは分からない人も多いのではないでしょうか。この記事では、大学生の主な課外活動の種類と、各活動におけるメリットデメリットを紹介します。様々な課外活動の形態を知り、自分のライフスタイルや目標に合った活動を見つけましょう。

大学生の課外活動には何がある?

 まずは、大学生が参加しやすい課外活動の種類を紹介します。

ボランティア 

 一つ目の課外活動は、ボランティア活動です。ボランティアの定義は明確には決まっていませんが、語源とされているラテン語の「Voluntus(ボランタス)」が「自由意志」を意味するように、自発的に行う活動のことを広義的に指します。
 日本では、ボランティアというと慈善活動的な意味合いが浸透していますが、最後の段落で紹介するように、有償のボランティアも無償のボランティアも存在します。民間団体が目標や手段を共有して行っている活動に、自分の意思で参加するのであれば、どのような形式であっても、ボランティアとして捉えられます。

アルバイト

 大学生に最も馴染みの深いのがアルバイトです。基本的には、フルタイムで働く正規雇用に対して、パートタイムの非正規雇用を指します。また、学業や本業と同時進行で労働をするといった意味合いがあります。

インターンシップ

 続けて、最近耳にすることが増えてきた、インターンシップについて説明します。インターンとは、アルバイトと同じように、労働の形の一つではありますが、就業体験・就業経験という意味合いが強くなります。インターンには、いわゆる就職活動の一環として数日間から数週間行われる短期インターンと、数か月以上就労する長期インターンがあります。特に、長期インターンは、アルバイトと比べると、業務内容が多様で、能力や成長に応じて様々な業務を任される可能性が出てきます。例えば、ライターとしてのインターンをしている時、始めは先輩のインタビューに同行するだけだったのが、経験を積むにつれて、自分の記事や単独でのインタビューを任されるようになったり、企画の提案を許されたりするようになります。アルバイトは特定の業務を任されるだけですが、長期インターンは特定の産業・分野で幅広く経験を積めるといえます。

留学

 最後に紹介するのは留学です。基本的には、外国での経験をすることが留学の広い定義ですが、最近では身体的に赴かなくても外国を経験できる、オンライン留学も広がってきています。また、語学留学だけでなく、先述したボランティアやバイト、インターンと留学を組み合わせたものも増えてきています。

課外活動のメリット

ボランティアのメリット

 ボランティアでは多様なバックグラウンドを持つ人々と出会えます。就業時と比べて募集条件が柔軟なため、様々な人材を受け入れる傾向があります。大学内だけのコミュニティより、経済状況や出身地などの多様性に富んだネットワークを築けるでしょう。
 また、社会貢献につながる活動が多いのも魅力です。東京オリンピックの通訳活動、教育格差是正のための取り組み、震災被災地での傾聴ボランティアなど、利益よりも社会問題の解決を目的とした活動ができることがボランティアの醍醐味といえます。

アルバイトのメリット

 アルバイトでも、ボランティアと同様に大学外のネットワークを広げられます。大学生向けの求人が多いため、他大学の学生とのつながりができ、就職活動に関する情報共有もしやすくなります。
 また、多種多様な職種から選べることや、掛け持ちができることも利点です。職種を超えた幅広いスキルを身につけたい場合は、アルバイトが最適な選択肢となるでしょう。

インターンのメリット

 インターンシップでは、実際に正社員として働いている人や雇用者との関係を深められます。これは就職活動に役立つだけでなく、会社によってはインターン生に内定を出すケースもあります。多くの長期インターンには成長に応じた昇給制度があり、モチベーション向上につながるとともに、その業界における専門性を高められます。さらに、企業の名前を背負って業務にあたることが多いため、ビジネスマナーやプロフェッショナリズムも身につけることができます。

留学のメリット

 留学では、日本以外のコミュニティでネットワークを構築できます。異文化を実際に体験し、海外のコミュニティとの関係を維持することで、視野が広がり、新しい視点や価値観を得られます。
 また、現在はSDGsや多様性を重視する企業が増えています。海外での経験やオンラインでの国際交流を通じて、グローバルな問題を「自分事」として捉え、様々なバックグラウンドやアイデンティティを持つ人を包摂する姿勢を身につけることは、キャリア形成においても重要です。

課外活動のデメリット

ボランティアのデメリット

 ボランティアのデメリットは、無償かつ専門的でないというイメージが定着していることです。中には「タダ働き」させるために募集している組織も存在します。ボランティアを始める際は、同じ業務を行っている有給ポジションの有無や、業務量の適切さを確認しましょう。

アルバイトのデメリット

 アルバイトは非正規雇用のため、雇用状態が不安定です。常に失職の可能性があることを念頭に置く必要があります。また、ボーナスや大幅な昇給制度は少なく、同じ仕事でも正社員との賃金格差に不満を感じることもあるでしょう。労働に見合った賃金か、自分のやりたいこと・役立つスキルが得られるかを吟味して選ぶことが大切です。

インターンのデメリット

 インターンシップは、応募時に既に専門的なスキルや知識が求められる場合があり、選考過程も厳しい傾向があります。また、インターンとして働き始めてすぐに成果を上げることが求められることもあります。例えば、ITコンサルティング業界では、事前にIT知識を持ち、会社に貢献できる素地がある人材を求めるケースが多いです。自分の経験が活かせない分野でのインターンを検討する場合は、研修制度があったり、初心者を歓迎しているプログラムを選びましょう。

留学のデメリット

 留学の最大の障壁は費用です。特に円安の時期は海外渡航をためらう人も多いでしょう。また、多くの留学プログラムでは一定の語学力が必要とされます。奨学金制度や交換留学制度による資金援助語学学校通学を含むプログラムもありますので、これらの制度を利用することを検討しましょう。また、単位互換ができず留年や休学が必要な大学もあるため、詳細な情報収集が欠かせません。

ボランティアの種類

 ボランティアについてもう少し掘り下げて解説します。ボランティアにはどのような種類があるのかを知り、「胡散臭い」「働き損になりそう」といった誤解を解き、自分の興味や目的に合った課外活動を選べるようにしましょう。

NGOとNPOの違いとは?

 ボランティアを募集している機関・団体には、NGONPOという、大きく分けて二つの種類があります。NGOは海外の課題に取り組む活動を行い、NPOは国内の課題に取り組む団体です。両者とも、民間人が自発的に参加することや、非営利目的の共有を前提としています。NPOの中には、任意団体と、法人格のある認定NPO法人という二種類があり、認定されているNPOのみ募金が寄付金控除を受けられるなどの措置があります。

有償?無償?

 ボランティアの種類における、もう一つの分け方として有償ボランティア無償ボランティアがあります。有償ボランティアに従事する人の場合の多くが、ボランティア団体への募金から歳出された謝礼金を受け取っています。有償ボランティアを選べば、「タダ働き」の労働力として軽く扱われることは少なくなるでしょうが、責任も伴うことを忘れないようにしましょう。

まとめ

  • ボランティア活動
    • 自発的な参加で多様な人々と出会え、社会貢献ができる活動が多い。
    • 時間がとられるだけではなく、経済的報酬がない場合がある。
  • アルバイト
    • 大学外のネットワークを広げやすい。
    • 雇用状態が不安定で賃金が低いことがある。
  • インターンシップ
    • 実務経験を通じて専門性を高められる。
    • 専門的なスキルが求められることが多い。
  • 留学
    • 異文化を体験し、国際的な視野を広げられる。
    • 費用が高く、語学力が求められる場合が多い。

 ここまで、様々な課外活動について説明してきました。敷居が高いように感じていた課外活動も、身近に思えるようになったのではないでしょうか。就職活動だけを見据えるのではなく、大学在学中に長期的な課外活動を通じてキャリアについて考え、スキルを磨くことは、就職活動で優位に働くだけでなく、就職後も他者との差別化に繋がります。

 一方で、今しかできない学業やサークルに時間を使いたい方もいるでしょう。この機会に、自分の目標やライフスタイル、理想的なキャリアについて改めて考え、例えば興味のある分野のインターンシップに応募する、または週末に地域のボランティア活動に参加するといった自分に合った課外活動を意識的に選択しましょう。

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