【27卒10月号】就活生は知っておきたい、今月のビジネスニュース

こんにちは、街角キャリアラボ編集部です。毎月、就活生なら知っておきたい経済やキャリアに関するニュースをお届けします。詳しくはリンク先の記事を見てもらうとして、この画面内では専門用語を使わずに、ポイントをわかりやすく解説します。なるべく多くの人に影響を与えそうなニュースを選んでいますので、その業界への興味の有無に関わらずチェックください!

日銀、利上げの可能性が高まる

日本銀行は9月30日に、9月18~19日に開かれた金融政策決定会合における「主な意見」を公表しました。
この決定会合では2名の審議委員が利上げの議案を出しましたが、他の委員は慎重または中立な考えを示していることが明らかになりました。

この会合では10月の利上げを示す明確な材料は示されなかったものの、会合内では、利上げをの検討する必要性に触れる意見や利上げを支持する意見が複数見られ、利上げの可能性は一段と意識され始めています

利上げの背景には、物価上昇や米国経済の影響を受けた国内金融環境の変化があります。
金利の変動は企業の借入コストや設備投資意欲、住宅ローンなどに影響を及ぼします。経済の全体的な流れを意識しておくと、業界・企業選びにも役立ちます。

*利上げ=中央銀行が政策金利を引き上げること。景気が過熱した場合のインフレを抑える目的で実施される。

EU、鋼板への反ダンピング関税 ― 日本鉄鋼連盟「不当かつ極めて遺憾」

9月29日、日本鉄鋼連盟の今井正会長(日本製鉄社長)は、欧州連合(EU)の執行機関・欧州委員会が日本から輸出されるホットロール鋼板(熱間圧延鋼板)に対し、反ダンピング関税を導入する決定したことに対し、「不当かつ極めて遺憾だ」との声明を発表し、政府と対応協議を行う方針を示しました。

9月26日、欧州委は日本から輸出されるホットロール鋼板に対して、「不当に安く販売されてEU域内の産業に損害を与えた」と認定し、最大30%の関税を今後5年間適用すると発表しました

このような関税戦略は、EUが「輸入鋼材が国内産業に損害を与えた」と判断したことを根拠にしていますが、日本側はその主張に反論をしています。今井氏は「日本鉄鋼業界はアンチダンピング調査への対応を通じ、EU域内産業に損害を及ぼした事実はないことを主張してきた」とした上で、「決定の詳細を精査し、今後の対応を検討する」と発表しています。

関税導入は、輸出産業にとって輸出価格を押し上げる要因になり、収益性を圧迫するリスクとなります。
貿易政策や関税は、素材産業から製造業まで幅広く影響します。国際ルールと企業戦略の関係を意識する視点が強みになります。

*ダンピング(不当廉売):=正当な理由がないのに、原価を著しく下回る対価で商品やサービスを継続的に供給する行為のこと。

アサヒグループ、サイバー攻撃で生産停止


日本の大手飲料メーカー「アサヒグループホールディングス」では、9月29日朝にサイバー攻撃を受け、システム障害が生じたと発表しました。
これにより、受注や出荷業務が停止しており、国内の複数工場で生産も停止しています。また、お客様相談室などのコールセンター業務も停止しています
発生から2日後の9月30日現在も復旧のめどはまだ立っていません。

この障害の影響で、10月1日に予定されていた新商品の発表会は中止となりました。
また、国内の飲料や食品、酒類の受注・出荷が全面的に停止したことで、サプライチェーン全体に波及する可能性も出てきています。

アサヒグループは、今回の被害はランサムウェアによる暗号化の可能性を含むものとし、攻撃の詳細と被害範囲を調査中としていますが、詳しい情報は9月30日午後の時点でも判明しておりません。
個人情報や企業データの外部流出は、現時点では確認されていないとのことです。

どの業界でも、IT・ネットワークリスクへの備えは不可欠です。近年は製造業や流通業でもサイバー攻撃による生産停止や物流の混乱が相次いでおり、経営課題として大きく取り上げられています。志望業界の動向を知る際には、こうしたリスク対応も視野に入れてみると理解が深まります。

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