【27卒6月号】就活生は知っておきたい、今月のビジネスニュース

こんにちは、街角キャリアラボ編集部です。毎月、就活生なら知っておきたい経済やキャリアに関するニュースをお届けします。詳しくはリンク先の記事を見てもらうとして、この画面内では専門用語を使わずに、ポイントをわかりやすく解説します。なるべく多くの人に影響を与えそうなニュースを選んでいますので、その業界への興味の有無に関わらずチェックください!

ゼンショー 国内外食初の1兆円企業へ

ゼンショーホールディングスが2025年3月期決算で売上高1兆1366億円越えを達成し、日本の外食産業で初めて年間売上高1兆円を突破する快挙を成し遂げました。前年同期比17.7%増という大幅な成長で、営業利益も39.9%増の751億円と好調です。

この成長を支えているのは、コロナ後の外食需要の力強い回復です。家族やグループでの利用増加が見られ、主力の「すき家」を始め、「はま寿司」「ファストフード部門」「レストラン部門」のすべてで成長をしています。特に「グローバルはま寿司」「グローバルファストフード部門」は驚異的な伸びを示しました。

ゼンショーの強みは、国内外に広がる1万5419店舗の巨大な店舗網と多角化戦略にあります。牛丼、寿司、ハンバーガー、レストランなど多様な業態で同時に成長を実現し、リスク分散に成功しています。

また、すき家での異物混入問題という逆風に対しても、全店舗の一時休業や24時間営業廃止という決断で信頼回復に努めています。

2026年3月期も7.6%増の売上高1兆2235億円を見込んでおり、外食産業のリーディングカンパニーとしてさらなる成長が期待されています。コロナ後の需要回復により、業界全体が好況であり、外食産業は再び成長産業として注目されている業界です!また、海外への出店も積極的であり、グローバルに働きたい就活生にとっては、チャンスかもしれません。

中小企業向け60兆円投資 – 石破政権

石破茂総理大臣は2025年5月14日、「新しい資本主義実現会議」において「賃金向上推進5カ年計画」を発表しました。この計画の柱として、中小企業の生産性向上に向けて今後5年間で官民合わせて60兆円の投資を行うという新たな目標を掲げています。この大規模投資は、「十分な事業規模で複数年にわたる支援」として実施され、特に中小企業・小規模事業者の経営変革を後押しするために「政策資源を総動員する」方針です。

さらに注目すべきは最低賃金に関する政策です。石破政権は2020年代中に全国平均で最低賃金を1500円に引き上げる目標を設定しており、この実現に向けて5月下旬には政労使による意見交換を行い、具体的な引き上げ方針について議論する予定です。これは地方で就職したい人には特に嬉しいニュースです。東京と地方の給料差が小さくなるかもしれません。

今後の展開としては、赤沢経済再生担当大臣を中心に政策の具体化を進め、6月には「実行計画」を取りまとめる予定となっています。この政策は「中小企業で働く=待遇が悪い」という古い考えを変える可能性があります。大企業だけでなく、成長する中小企業にも目を向ければ、自分に合った職場が見つかるかもしれません。

パナソニック、日産 人員削減相次ぐ 〜就活生が知るべき製造業の現実〜

日本を代表する製造業の巨人、パナソニックと日産が相次いで大規模な人員削減計画を発表しました。厳しい経営環境を背景に、両社とも事業構造の抜本的な見直しを進めています。

日産自動車は昨年度の最終赤字が最大7500億円になる見通しで、厳しい経営が続いています。昨年11月に発表した生産能力20%削減・9000人削減計画に加え、想定よりも販売台数が落ち込んでいるため、さらに約1万1000人の追加削減を行う方針を固めました。これによりグループ全体の従業員のおよそ15%を削減することになります。

また北九州市で計画していた電気自動車向け電池工場の建設も断念し、タイなど3工場の閉鎖も決定するなど、過剰な生産体制の見直しを進めています。特にトランプ政権の関税措置の影響で経営環境が一段と厳しくなる中、4月に就任したイヴァン・エスピノーサ社長が抜本的な経営立て直しを実行できるかが焦点となっています。

一方、パナソニックホールディングスも5月9日、1万人の削減を発表。これはグループ全体の従業員約20万8千人の約5%に相当します。営業・間接部門を中心に業務効率を見直し、2027年3月期までに国内外でそれぞれ5千人規模の削減を実施。人員の適正化により700億円の収益改善を見込んでいます。

特に注目されるのは楠見雄規社長の「人員は少し足りないぐらいがちょうどいい。余裕のある人員数は人が成長する機会を奪っている」という印象的な発言です。経営環境の厳しさの中で、将来の持続的成長を見据えた決断であることを強調しています。

両社の決断は日本の製造業が直面している構造的な課題の表れですが、同時に経営体質強化の一面もあります。変革期の今こそ、企業の将来性と自身の成長機会を見極める目を養いましょう。

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