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街角グローバルvol.5 モロッコ暮らし。異文化の中で見つけた自分らしさとは?

こんにちは!

”世界を視野に入れて自分の人生を作っていく”街角グローバル”担当のnemuです。私の暮らすカンボジアは、少しずつ雨季に入り涼しくなってきました。日本とカンボジアの気温はちょうど同じくらい。日本の友人が暑い!と感じる気温を涼しいと思ってしまう、環境への適応に驚いたりしています。

今回は、前回のロンドンからまたアフリカに戻り、モロッコでの暮らしを紹介します。英語はフィリピン留学が安い!と言われるのであれば、フランス語留学も安い国があるのでは?と思い、フランス語が母国語の国を探し始めたのがきっかけ。

日本人も観光客もほとんどいない、モロッコの首都ラバトで語学学校に通いながら生活していました。ちなみに、英語だとフィリピン、フィジー、マルタあたりが比較的コストを抑えた留学ができると人気ですがフランス語であればモロッコ、スペイン語はグアテマラなどもおすすめ。

留学=高い、という印象は選択肢が増えたことで少しずつなくなっている気がします。さて、これまで54か国を訪れた私の海外生活の中でも、最も異文化を感じたモロッコでの滞在。独特な魅力と現地の生活について紹介しながら、自分らしさを見つける旅を紹介します。

日本のメディアからではわからなかった「イスラム教」

私がモロッコで暮らしていたのは、ちょうどISによるテロが世界中で勃発していた時期でした。イスラムという言葉を日本のニュースや新聞記事の至る所で目にし、何も知らなかった私は、なんとなく怖い印象を持っていたことも事実です。

実際、語学留学という意識でふわっとモロッコに来た私は、宗教の違いに戸惑うことも多々ありました。観光地に焦点を当てたネット上の情報だけでは気づけなかった点も多く、反省することばかり。旅でその国を訪れるのと、生活を営んでいくのではこんなにハードルが違うのかと驚いたこともありました。

ただ、実際にそこで暮らす人々の生活観を体験できたのは、メディアの流す情報で印象が植え付けられていた私にとっては貴重な経験でした。

例えば、私が滞在していた期間は「犠牲祭」と呼ばれる行事が行われていました。市場には羊がたくさん並び、私の家にも一匹の羊が。犠牲祭当日、普段同じように生活して過ごしているホストファミリーたちが、買ってきた羊を生贄として捧げる様子は、初めて見た私にとっては衝撃的でした。

その事実だけをネットやテレビで見ただけでは、なぜこのような儀式があるのか?なんのために行うのか?その儀式の目的を理解できずにいたかもしれません。ただ、何週間も前から準備する人々の様子、当日の街の雰囲気、家族の想い….言葉では表すことのできない人々の想いや背景を知ると、同じ事実でも違った印象を持つことができました。

また、ムスリムの家庭にホームステイをさせてもらい、彼らと生活をする中で、日本のメディアではあまり触れていなかった文化や価値観を知ることができました。

アフリカという違う大地の、異なった宗教を持ち、わからない言語を話す人たち。一緒に笑い合えることも数多くありましたが、大切にしていること、将来見据えていることが全く違い、これまで抱いてきた「こうしなきゃ」という自分の生き方に疑問が湧くように。

ずっと日本で感じてきた「大人になったらこう生きるべきだ」「みんなそうしているんだから」というプレッシャーが、そんな“違い”に出会う中で、良い意味でぼろぼろと崩れて行きました。それは、目の前に敷かれていたレールがなくなり、まっさらな画用紙が広がっているような感覚。どう描いてもいいんだ、だって世界には人の数だけ生き方があるから。そう気づかせてくれる出来事でした。

新しい場所、違う場所に行くほど自分と世界が見えてくる

百聞は一見にしかず、とよく言われますが、皆と同じことが良いという同調圧力の中で暮らしてきた私にとって、違う文化や考え方、生き方を持つ環境に飛び込むのは、いつも少し不安でした。分かり合えるのだろうか、マイノリティーとなる私は受け入れてもらえるだろうか、と。

でも、腰を落ち着けてその”違い”に触れることで、新たな視点を知り、その積み重ねが「自分ってなんなんだろう」という問いに対する答えを少しずつ積み重ねてくれることに気づきました。

人と違って良い、周りに合わせて歩むんじゃなくて、自分のペースで真っ白な画用紙に人生を描いていけばいいんです。

こんなことで悩むなんてかっこ悪い、みんな余裕で乗り越えているのにやりたい仕事もいい就職先も見つからない、みんなもう就活終わっているのに自分ばかり上手くいかない、みんなは同じ中で楽しそうに生きているのに。

その「みんな」って誰なんでしょう。20数年生きてきて、これまで触れた価値観の「当たり前」に自分が沿っていないと不安になってしまうのは、少しもったいない気がします。今が一番若く、チャンスに溢れているのに。

周りが成功した、完璧だと言っている人でさえ、裏では苦しみながら努力を重ね、一生懸命生きているかもしれない。

誰も、相手の努力や功績を全て知れるわけじゃないし、私たちの努力や苦しみを全部わかってくれるわけでもない。そうであれば、せめて自分くらいは、自分のことを理解して心の声を聞いてあげてほしい。

自分らしい人生を描いていけるように。

そんな、自分らしさを見つけるきっかけとなった、地球の反対側の国の出来事でした。

ヘルシー料理に自然由来の化粧品⁉旅ではなく生活で見るモロッコ

最後に、モロッコの生活についてもご紹介。

モロッコ、といえばどんな印象があるでしょうか。砂漠やラクダ、最近では青い街シャウエンも人気で、アフリカの中では気軽に旅行しやすい国として知名度もある国。

観光地のフェズなどには、日本語が話せるモロッコ人の客引きを良く目にします。ただ、そこから一歩離れて「モロッコの暮らし」に注目してみると、観光とは違った魅力を多く持つ国だということも感じられました。

私が滞在していたのは、国王の暮らす場所から近い高級住宅街。歩いてすぐの市場はスークと呼ばれ、香草や色鮮やかなオリーブが並びます。

昔日本でも話題になったタジン鍋は、モロッコ人の好きな料理の一つ。レストランでも様々な具材を合わせたタジン鍋のメニューを見ることができます。たっぷりの蒸し野菜とチキンに、美味しいオリーブ。

同じ地中海を囲むモロッコですが、イタリアやフランス南部の料理とは味付けも盛り付けも全く違い、素敵な食文化を知ることができます。

また、日本でもスキンケアに使われるアルガンオイルは多くがモロッコ産。モロッコは、自然派コスメに使われる様々な素材の原産地だったりします。

スークを歩いていると、オイルや砂、石(!)から作られた石鹸やシャンプー、植物から作ったフェイスパックなども見つけることができました。オーガニックを極めたような商品を楽しそうに選ぶモロッコ女子達と一緒に、私もガスールの洗顔を購入。

日本にはまだ少ないものの、ヨーロッパやアジア諸国、アフリカでも多く見かける青空市場。売っているものは違えど、「これどうやって使うの?」「おすすめの料理法は?」と店員さんと会話しながら買い物を楽しめるのはとても魅力的だと感じます。

また、女性が通うハマムと呼ばれるモロッコ流のスパ?温泉?のようなものがあり、ここでもアカスリのおばちゃんや入浴中の方と会話を楽しみながら、1日の疲れを癒します。

買い物やスパという日常のワンシーンでも、人との交流を持つことができる。一人で来た国なのに、毎日たくさんの人と過ごすことができたのは良い思い出です。

〜モロッコに行くなら~

①ぜひ、リヤドに泊まってみて!

リヤドは、モロッコの昔の邸宅をゲストハウスとしてリノベーションしたもの。家具や内装がとっても可愛くて、過ごしているだけでわくわくします。観光地にはいろんなリヤドがあるので、ぜひお気に入りを見つけてみてください。

②歩き疲れたら熱々のミントティーを

甘〜いお菓子と一緒に熱いミントティーを飲むのがモロッコの定番。サハラ砂漠に泊まった時も、ミントティーのおもてなしを受けました。煮出したミントの苦味がさっぱりしておすすめです。